【記事】文芸一覧
▼カテゴリから探す
- 文芸
- 小説 |
- エッセイ |
- 詩歌 |
- 戯曲・シナリオ
- 実用書
- ビジネス |
- 暮らし・子育て |
- 語学・教養 |
- コンピュータ |
- 将棋・囲碁 |
- 地図・ガイド
- スポーツ
- ゴルフ
- コミック
- 写真集・イラスト集
- 写真集 |
- 画集・イラスト集
- その他
-
笑われてもいいが、俺がこの未来のない社会でなんとか踏ん張れていたのは、家族を、この一族を俺が守るという決意だった。
職場には定時で帰ることをミッションに会社に来る老兵が六人いる。百人を超える事業部の中でも「墓場」に位置するチーム。俺以外は全員五十歳以上で、髪の毛と有給が残っているのは俺だけだ。 -
「だけど、問題はここからなの」理奈が擦れた言葉を続けた。俺はソファの下で身を寄せ合う三人に近づき、ゆっくりと腰を下ろして目線を同じ高さにした。
立っていると、足の震えが兄弟たちにばれてしまいそうだった。
「このお店、私たちの家すらも、盗られてしまいそうなの」
14/20