【作品】一覧 詩 【第16回】いまわたしはあかるいやねとさかなの国にいる わたしはやねのうえを駆けぬけ巨大なさかなの群れへダイブする あなたがまったく信じられなくてもかまわない やねとふね | 河野聡子 詩 【第15回】潜る人 わたしの国の言葉を話す役人は ひとりで歩いていったのだと 幽霊たちが噂する やねとふね | 河野聡子 詩 【第14回】開発者 最近の幽霊は、このまえ歩く人たちを叩きのめした雹が、この国のあちこちを襲っている、という噂話に夢中である。 やねとふね | 河野聡子 詩 【第13回】人(そこにいてそこにいない) あなたは摂氏28度、正味4メートル×5メートル×3.3メートルの 空間のなかにいる。 空間の湿度58パーセント、これならとくに問題はおきない。 やねとふね | 河野聡子 詩 【第12回】創始者たち むかしむかしやねのうえから さびしい夜がやってきて おじいさんとおばあさんの おへそをぬすみに 家にしのびこみました やねとふね | 河野聡子 詩 【第11回】歩く人 わたしの国の言葉をはなす役人によると、歩く人は、幽霊たちが極端に多くなった年に、きまって現れるのだという。歩く人が現れるとき、ぜったいに、ひとりではない。 やねとふね | 河野聡子 詩 【第10回】占い師 水はなく、風があり、渦を巻いている、ふねは風の渦のまんなかを通っていく、予言されたとおりに航海している、 やねとふね | 河野聡子 詩 【第9回】アーキテクト この国に来た観光客が最初に驚くのは 空間のあらゆる方向へ広がるやねとふねの絶景ではなく 地図と本である やねとふね | 河野聡子 詩 【第8回】殺人者 わたしの国とこの国のあいだには国境がある そこは宙ぶらりんの危険な場所だ 危険な場所なので、たくさんのひとが死んでいる やねとふね | 河野聡子 1/212…≫最後のページ