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その他
  • 【第0回】プロローグ

     二十年慣れ親しんだ故郷が、まるで異国の地のように歪んだまま浮かんでいた。買い物客を見たことのない駅までの商店街や、街唯一のデートスポットである大型ショッピングモール。当たり前過ぎて何も感じなくなっていた景色まで、全てが灰色に沈んでいた。

  • 【第5回】

    計画当日の正午、青年と田中は京都駅の中央玄関側二階にあるミスタードーナツで、ポンデリングを食べながらコーヒーを飲んでいた。
    「これはちょっと早く来すぎたんじゃないですか」

  • 小説

    【第03回】さらば友よ

    さっそく私は自分が木崎玲子から聞いた話と、取調室で若い刑事を通して聞いた話をする。
    神山は黙って聞いていたが、私の話が自殺した警官の話になったところで口を開いた。

  • 【第2回】二

    帰宅して玄関のドアを開けてもらうと、俺の妻である芳奈は背中越しに寝てしまった少女の顔を見るなり、軽蔑の眼差しで俺を一瞥すると、まだ中に入っていないにも関わらず、静かにドアを閉めた。キーチェーンの音までする。ファースト・コンタクトは失敗したようだ。

  • 【第2回】●従順

    ●従順
     
    「こんな時間までどこ行ってたの?」
     屋上からエレベーターで下り、五階の自宅に幸太が帰ると台所で母親が待ち受けていた。

  • 【第1回】プロローグ

    プロローグ
     この本は独特な構成をとっています。
     すべての人に訪れる死から出発して誕生から現在に至るまでの道のりを振り返ってみる「わたし」の物語です。

  • 【第3回】第三章

    パパとママが結婚したとき、ママのお腹にはすでに兄ちゃんがいたそうだ。ママの妊娠がわかったとき、パパは喜びのあまり家にあったビールやワインをかたっぱしからあけてぐでんぐでんに酔っぱらって、ママにこっぴどく叱られたらしい。

  • 小説

    【第02回】さらば友よ

    警察署の玄関から出たころには夕焼けで空が赤く染まっていた。どうやら帰りの送迎はなしのようだ。私がとぼとぼと歩きだした時、背後からの村上刑事が呼びかけた。どうやら煙草を吸いに出てきたらしい。

  • 【第1回】一

    仕事の都合で大阪に転勤して早二日。大人向けの店が所狭しに並んでいる心斎橋の商店街は、ネオンの光で立ち込めていた。夜だというのに眩しいと感じる程だ。

  • 【第1回】●自殺

    ●自殺
     
     春先の夜はまだ寒い。幸太(こうた)はコートを着て来なかったことを悔やんだ。風が思っていたよりも吹いている。

  • 【第0回】はじめに

    はじめに
     人は幸せな人生を送りたいと願っています。しかし、それを探し求めながらも見出す人はほとんどいません。

  • 【第0回】心臓の鼓動がしない少女

    鼓動は人が生きるために、心臓が血液を送り出す際に聞こえる音だ。人が生きている音だ。証でもある。

  • 【第0回】 プロローグ

    星は輝く
    雲に隠れて人には見ることができない時でも

  • 小説

    【第01回】さらば友よ

    昔の人は良いことを言ったものだ。酒国は安恬、其の楽しみ得て量る可き莫き也、だ。
    私はデスクの引き出しからウイスキーを取り出してラッパ飲みする。これで少しましな気分になるというものだ。

  • 【第4回】アンバランス

    合鍵でドアを開けると、目の前には真っ暗な空間が広がっていた。秋のアルバイトのシフトは把握していたので、また彼女は友達と何処かへ遊びに行ったのだと分かる。

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