【記事】小説一覧
▼カテゴリから探す
- 文芸
- 小説 |
- エッセイ |
- 詩歌 |
- 戯曲・シナリオ
- 実用書
- ビジネス |
- 暮らし・子育て |
- 語学・教養 |
- コンピュータ |
- 将棋・囲碁 |
- 地図・ガイド
- スポーツ
- ゴルフ
- コミック
- 写真集・イラスト集
- 写真集 |
- 画集・イラスト集
- その他
-
翌日は、日曜日だった。僕はひとりで出かけた。勝どき橋の南橋詰口からバスに乗り、銀座に向った。晴海通りを走るバスの中で、僕はリノアにメールを送った。
-
まだ春の訪れの気配すら感じられない3月末の五稜郭内で榎本、龍馬、そして、歳三の3者会談は、続けられていた。
この蝦夷地に今や世界最強となった艦隊を率いて凱旋した理由を尋ねる榎本の問いに対して、龍馬はあっけらかんと「リベンジ」と答えた。 -
実は、榎本がこの嘆願書を英仏に託した際の意識としては、当時、函館に駐留する各国の代表や船長らに「事実上の政権」であることを認められたのに気を良くして、「外交力と海軍力の2つを背景に各国を味方につけて、蝦夷地を手に入れる」という期待が込められていた。
-
「ところで、榎本さん。おまんらは、あの「甲鉄」ちゅう艦を狙ろうちょったようじゃが、あの艦の元値を知ちゅーがや?」
龍馬は、この場の雰囲気を変えようとして、別の話題に話を振った。 -
龍馬の言葉が続いた。
「そん時に、わしは西郷さんにこう応えたきに。『わしは、役人が嫌いじゃきに。毎日、時刻通りに家を出て、時刻通りに帰宅するような生活はわしには耐えられんがぜよ』。 -
明治2年3月末、春の訪れの遅い、蝦夷の地にの突如として龍馬という真夏のような男が訪れた。
しかも、巨大な鋼鉄の蟹の爪のようなアームを備えた潜水艦隊4隻で構成される世界最強の私設海軍に加え、 -
歳三は幹部として、陸軍奉行並となり、箱館市中取締や陸海軍裁判局頭取も兼ねることになった。
しかし、歳三は常に冷静だった。 -
深入りは、良くないと思います。
昨晩、透が陽平を送って帰ってきたときの、開口一番の言葉だった。それを聞いた怜は、ただうなずくだけだった。 -
その夜────。
大きな物音を聞きつけて、陽平は目をさました。ひとりっ子ということもあって、特別に勉強部屋をもらっていた陽平は、両親とは別の一間で寝ていた。 -
話は、3ヶ前の明治元年12月15日に遡る。
旗艦・開陽丸を失いつつも、江差を無事占領した歳三は、それから一旦、松前城へ戻り、榎本が各国領事を招待して催した蝦夷地平定祝賀会に合わせて五稜郭へ凱旋した。 -
松は常盤木と申しますから、真冬になっても緑のままです。
あれはまだ枝に雪がちっとばか残っとりましたから、二月の初め頃ですか。おまさ坊が女学校にあがるって年でした。
2/11