【記事】小説一覧
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二十年慣れ親しんだ故郷が、まるで異国の地のように歪んだまま浮かんでいた。買い物客を見たことのない駅までの商店街や、街唯一のデートスポットである大型ショッピングモール。当たり前過ぎて何も感じなくなっていた景色まで、全てが灰色に沈んでいた。
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さっそく私は自分が木崎玲子から聞いた話と、取調室で若い刑事を通して聞いた話をする。
神山は黙って聞いていたが、私の話が自殺した警官の話になったところで口を開いた。 -
パパとママが結婚したとき、ママのお腹にはすでに兄ちゃんがいたそうだ。ママの妊娠がわかったとき、パパは喜びのあまり家にあったビールやワインをかたっぱしからあけてぐでんぐでんに酔っぱらって、ママにこっぴどく叱られたらしい。
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警察署の玄関から出たころには夕焼けで空が赤く染まっていた。どうやら帰りの送迎はなしのようだ。私がとぼとぼと歩きだした時、背後からの村上刑事が呼びかけた。どうやら煙草を吸いに出てきたらしい。
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昔の人は良いことを言ったものだ。酒国は安恬、其の楽しみ得て量る可き莫き也、だ。
私はデスクの引き出しからウイスキーを取り出してラッパ飲みする。これで少しましな気分になるというものだ。 -
合鍵でドアを開けると、目の前には真っ暗な空間が広がっていた。秋のアルバイトのシフトは把握していたので、また彼女は友達と何処かへ遊びに行ったのだと分かる。
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