【作品】一覧 詩 【第7回】アスピリンが必要な夜 水着を広げたら 去年の砂がこぼれ落ちた 骨を砕いたような白い砂は 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第6回】海を見ていた ずっと、海を見ていた 青白く光る波を 波の音を聞きながら 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第5回】その花のことなら知っている その花の色なら知っている 長雨が続き、あらゆるものが湿気を孕むと まるで湿度が形を得たかのように雨の裏側に咲いている、その花ならば 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第4回】他人の夢は変えられない 自分の夢さえ見ることがなくなったのだから 他人の夢を見ることはできない 夢を見ている寝姿を見ていることができるだけだ 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第3回】片耳だけのピアス 雲が湧き、夏至が子午線を登ってくると 自分の影が子犬のように足元にまとわりつく アケビの蔓が伸び、 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第2回】ヒステリックな内面 誰かが、コインランドリーで 何かを洗い流そうとしている でもヒステリックな内面は洗えない ポケットの小銭を数えて 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 詩 【第1回】夢を見なくなると 夢を見なくなると 眠りは深くなっていくが 目覚めてからが恐ろしい 誰でも明日のことは考える | 城戸朱理 2/2最初のページ前へ…12