【作品】一覧
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さむしろに 衣かたしき今宵もや 我を待つらん宇治の七綾姫
と呟き笑う 願掛け帰り
こんなことでは叶わぬのに 裂き給えと唱えるたび ア、どんな着物か、赤い着物か 敷くのは 筆のはらいはあの黒髪 思い出し イヤラシイ -
整理箪笥の引き出しを開け閉めするたび
上に置いてある人形の飾り棚の扉ガラスが一瞬ふるえる
中にはどこか知らない土地のお土産のこけしや -
モシ、母さん、(昔のわたし「清姫」、お姫様になりたい。「清姫、清姫」器量、髪型、皆が褒めた、いまも褒められるたび自分の顔思い出す、ぜんぶ昔に最上のものがある。
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