著書一覧
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戯曲・シナリオ
記事一覧
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
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美里 (舞台明るくなって)最低の男の正体を見せ付けられて、やっと私は目が覚めました。結局、彼は自分の横領の罪を私に押し付けるために、一芝居打ってたんです。ああいう話をすれば、私がどう出るか分かってて、馬鹿な私はそうとも知らずに、そんな男に自分の貯めていたお金まで‥‥盗人に追い銭っていうんですか、笑っちゃいますよね。
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
- 戯曲・シナリオ
寺田 (舞台中央、美里と向かい合って座っている)すまないね、喫茶店なんかで。 美里 相変わらず女の気持ちが分かってないんですね。ホテル以外で会うのは嬉しいんですよ、付き合い始めた頃みたいです。 寺田 あ、そうか。 美里 それに、係長、支店かわってから、ここのところ忙しい忙しいって、ずっと会えなかったし。
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
- 戯曲・シナリオ
(中央にスポット、椅子に座っている浩。赤い花柄の派手なジャージの上下を着ている) リリー(声) ごめんなさい、そんなのしかなくて。せめてパジャマとかあればいいんだけど、あたしはネグリジェ派だから。 浩 え、ありがとうございます。(小声で)何だよ、これは。
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
- 戯曲・シナリオ
(舞台中央、スポットに照らし出される京子と洋介。テーブルを挟んで向かい合っている) 洋介 やっとゆっくり話が出来ますね。うちの母、うるさかったでしょう。本当によく喋るんです。 京子 いえ、気さくな方で、ほっとしました。
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
- 戯曲・シナリオ
風子 そんな訳で、その夜、何かに吸い寄せられるように傷心館に集まった女たちは、お約束通り互いの傷を舐めあうような身の上話を始めました。勿論音頭取りは絹子さんです。私には確信に近い不吉な予感がありました。こんなメンバーに絹子さんが加わって話が良い方向に向かう訳はないんです。
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書名: 「傷心館の幽霊 上演台本」
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踏切の警報機音が聞こえる。赤い点滅に照らし出される京子。上手から近づく電車。意を決したように飛び込もうとするが、飛び込めない。電車が通り過ぎ、点滅と警報機の音がやむ。肩で息をしている京子。再び赤い点滅と警報機音。今度は下手からの電車の音。眼を閉じ、叫びながら飛び込もうとするが、やっぱり飛び込めない。その場にへたり込み、ぼう然と通り過ぎた電車を見送る。ふと見ると、上手に若い女(美里)が立っている。立ち上がる京子。しばらくお互いの顔を見ている二人。
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書名: 「」
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清次 しかし、 恭平 ところで、おたくは、 久美 何か、ご用ですか。 清次 あ、俺、あ~そうだよね。こんな遅い時間に、非常識だよね、いやこれまた申し訳ない。遅いのは分ってたんだけどね、どうしてもこちらのご隠居にお詫びしたい事があって、
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書名: 「」
- 文芸
恭平 しつこいよな、まったく。なんだよ。 久美 あのね、廊下の角に電話があったのね。 恭平 そりゃあ電話くらいあるだろ。 久美 じゃなくて、その電話、留守電のランプがピコピコしてたのよ。それで私なんだろって思って聞いてみたの。
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書名: 「ラストシャッフル 上演台本」
- 文芸
正面奥に微かな照明、暗い部屋、男のシルエット、冷蔵庫を開け、缶ビールの入ったビニール袋を取り出す。ビールを一気飲み、飲み終わった缶を捨て、袋を持って退場。電源ブレーカーが落ちる音、壁の照明が消える。
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書名: 「リコリス~夏水仙~ 上演台本」
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闇の中の豪雨。走る修二、篤志、裕樹。 修二(声) 飛び出した店の外は、その夏一番の激しい雨が降っていた。闇の中を走る僕達の目に、痛いほど大きな雨粒が飛び込んできた。
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