日録
ぼくたちははじまりのまだ記されぬ白にひとつの点が明滅する階段をのぼる零の発見のうちからの発光が崩れてはまた組みたてられるあいだに波動のちがう時間が垣間見えだれかの手のあとがのこるふかいおく底へと降りていく眼がとらえる風景はいつでも波と凪のえんえんと連なるくり返しにひかりのづれは闇のなかのかすかの鼓動だとひらかれた天井にしるされていき忘却よりもはやい水滴のさらに遠くまでひろがっていく天かける気配のただ一度である今の時間の表記の内に見いだすかたちに沿いバラバラだっていいのバラバラだっていい形がひとつの部屋としていま浮上するままの数しれないすてられる図形が積みかさねられるまるで違う影のみちびかれよわる明滅はだれも登れないはしごの内に影となりみちは十字のまじわりよりたかく飛翔すればただひとつつだけの燈る点に輝いていて同じものなどどこにもなくぎりぎりの輪郭をたもちながら追い追われる歪みの奥行きの円の
2015.8.21