詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

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【第15回】日録(15)

2015.09.18 | 森川雅美

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誰が誰の首になるのかと足取りがつづいて
 よわる息のつかいの静かな伝わりに呼ばれ
  さらにその足を踏まれれば崩れる寸前まで
   横断する内側の傷口に重なる人たちの声に
    ならない声の飛散する曇り空を渡っていく
    踏みこむ足裏たちがいくつもよぎっていき
   光沢は尾をひくいくつものおらぶ眼になり
  かすれ重なる人たちの力に押されよろめく
 今日の光はにわかにかげり耳の奥底の膜に
響いている足たちが不揃いな抑揚で動いて
掴まれる一瞬の前の姿勢になり振りかえる
 先先までの冷えたかたしろを高く投げあげ
  欠片になる散り散りの怒りは踏みにじられ
   問われる小さな斑になる生命のすり減りに
    足を伸ばす重みにひしがれながら前を向く
    すれ違いざまの擦傷が知らぬうちに増える
   名残りの手のひらの内側を小刻みに震わせ
  留まるひび割れの向こう側から片眼が覗き
 いつになく纏わりつく横から殴りの冷笑に
鈴なりの人たちが迷うまま僅かな歩を進め
平たくなる足先にかすれた鈍い痛みが燈り
 ぶらさがる人影のかたちがいくつも揺れる
  ながく抑揚する高く怒鳴る音の声が割れて
   引き延ばす判断が遅延する街角の賑わいに
    細細と綴られる底辺の背中の可能性にまで
    破壊する冗漫として行き過ぎる外れていく
   錯乱であるならば伝わらない言説が連なり
  めいめいの泥濘に右足を踏み入れこごまる
 ひらひらめいた風に煽られる眩暈の訪れに
騒音の狭間の静謐に晒されながら前を向く
 

2015.9.18

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