久根淑江（くねとしえ）

東京都出身。早稲田大学第二文学部英文科卒。東京都立大学大学院で小説の技法研究。
英文速記、翻訳の仕事に従事しながら、文芸同人誌『環状線』、『立像』、『断絶』などに参加。
著書に『魔法の山へ』、『ハチの懐想曲』、『田原坂の雨』、『セクカレの女』、『アンコールの小曲』（いずれも沖積舎刊）などがある。

著書一覧

記事一覧

【第６回】二章　卒業、就職　（２）

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
高校最後の夏休みが終わり二学期に入ったが、体調は今一つで教壇や、黒板を前にしても何故か心が弾まなかった。
【第５回】二章　卒業、就職　（１）

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
母と私、妹の三人は、大変な思いをして疎開先からわが家にたどり着いた。
【第４回】一章　鹿児島へ疎開　（３）

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
授業が軌道に乗り始めると、しばらく廃止されていた英語の授業も復活した。
【第３回】一章　鹿児島へ疎開　（２）

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
- 無料公開中
夢でみたオレンジ色のツナギの服を着た青年が、現実に目の前に現われたのは疎開先の学校で四年生に進学した春だった。
【第２回】一章　鹿児島へ疎開　（１）

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
嵐の前兆とも思える生暖かい雨混じりの風が吹き始める天候のなか、私は母に頼まれ、ある所に向かって自転車を走らせていた。
【第１回】序章

書名：「当たるも八卦当たらぬも八卦」
- 文芸
『手相』や『占星術』、『易』、『トランプ占い』など「占い」には数々あるが、それらは当たることもあるし、当たらないこともある。また、それを信じる人がいるかと思えば、頭から否定する人もいる。
【第3回】ハチへの思い　― ハチの生まれ変わり②

書名：「愛犬との出会いと、別れ　下巻」
- 文芸
　昨年、夏の頃までは愛犬ハチの生まれ変わりだろうか、と思わせられたのは蛙や蛇、蝸牛といった湿り気があり、ひんやりした地面に関係のある生き物たちだった。
【第3回】山で会い、山に還る　― 人に懐かない甲斐犬（1）

書名：「愛犬との出会いと、別れ　上巻」
- 文芸
　年の暮れまでは残り三週間余り。そこへ降って湧いたように家族が一匹増えたのだから、その目まぐるしさといったらなかった。
【第2回】ハチへの思い　― ハチの生まれ変わり①

書名：「愛犬との出会いと、別れ　下巻」
- 文芸
　神仏が、人間や動物に化身してこの世に現われる話は物語にもよく出てくる。『鶴の恩返し』などもその一つで、別に不思議がることではないのかもしれない。
【第2回】山で会い、山に還る　― ハチとの出会い（2）

書名：「愛犬との出会いと、別れ　上巻」
- 文芸
　この時は私たちは子犬が〝甲斐犬〟であることも何も知らず、翌日は寒波がくるという予報だったので小さな命を救ったつもりでいた。
【第1回】ハチへの思い　― 物の怪に吠える

書名：「愛犬との出会いと、別れ　下巻」
- 文芸
- 無料公開中
　立春が過ぎたのに、その年は寒かった。そんな日の夜更け、二階で眠っていたハチが、ただならぬ気配で戸外へ出たがった。
【第1回】山で会い、山に還る　― ハチとの出会い（1）

書名：「愛犬との出会いと、別れ　上巻」
- 文芸
- 無料公開中
　宿命ともいえるような出会いがある。それは人と人ばかりでなく、ほんのちょっとしたことが思いがけない幸運や、悲劇につながる。