【第3回】ハチへの思い ― ハチの生まれ変わり② | マイナビブックス

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愛犬との出会いと、別れ 下巻

【第3回】ハチへの思い ― ハチの生まれ変わり②

2015.09.30 | 久根淑江

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ハチの生まれ変わり②

 

 昨年、夏の頃までは愛犬ハチの生まれ変わりだろうか、と思わせられたのは蛙や蛇、蝸牛といった湿り気があり、ひんやりした地面に関係のある生き物たちだった。それ以後、九州を訪れたのは当地では最も好季節といわれる十一月だったが、その頃からハチの化生と思われるのは空を飛ぶ一羽の小鳥に変わった。

 偶然か、それとも気のせいか、その次に訪れた今年の二月にも、その小鳥の来訪があった。何という小鳥なのか心に引っかかったが、後にヒタキの一種だとわかった。

 最初、雀ほどの大きさの見たこともない羽毛の小鳥が、貨車を改造した私の書斎の窓近くに飛んで来た。

 屋内の私を認め、様子を伺い、何か話しかけるような囀り声をあげている。私に接したいと言わんばかりの馴れ馴れしさだ。外にはバーナーや、灯油の貯蔵タンクがあるので潮風除けに周囲をブロックで囲み、スレート屋根で覆ってある。

 私は書斎にしている払い下げの貨車の窓を十センチほど開けてみた。すると小鳥は屋根伝いに窓枠にとまり、そして室内へ飛んで入って来た。

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