【第8回】誰でもいいと言えば嘘になる足はあぜ道の通学路を選んだので、つまり。 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。

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【第8回】誰でもいいと言えば嘘になる足はあぜ道の通学路を選んだので、つまり。

2015.03.20 | そらしといろ

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あったかいスチール缶の
コーンスープに感じた冬はゴミ箱へ
 
手にするだけで華やかなイチゴ・オレの紙パック
やんわり握りつぶして飛び散った
ピンクの一滴
 
春はからだの中から甘くなっていく
   (確かめたいような、知りたくないような)
             気がするだけ
過ごしやすい天気が続いて
   (なにも特別なことはない、はず)
          あれはずいぶん下手だけどウグイスの声だ
 
 
 
                      自転車置き場の
                      コンクリートの
                      地面の割れ目の
                      雑草としか呼べない
                      お前も花を咲かせている
                      ことに気付いてしまった
                      自動販売機がつめたくなる頃
              破廉恥なそよ風に花という花がこじあけられる
 
無責任に
覚醒させられた
細胞を持て余している
誰にもひとしく訪れるべき
待ち人を待てないから
ローファーを泥まみれにして会いにゆくところ

 
2015.3.20