『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。
パイプ椅子を折りたたむ手の平たちは
銀色の匂いに浸されて潤んでいた
咲かせた紙の花を摘み取る指先たちは
画鋲が打ちとめた時間も回収した
吹く風に
ふくらんではしぼむ
紅白幕を背伸びして
はずしながら
紅白の縞を数えて数え切れなくて
幕の始まりと終わりだけが確かだ
紅の端と白の端をなにか祈るように重ねた
こわばる蕾も容赦なく
ほどかれるような
短い幕間が始まる
春霞に
濡れて破れやすい
幕間の記憶にふさわしく
卒業証書をもらう
後ろ姿たち
もう思い出せないから
何度でも
はじめてのような
さようならのために再演される演目
2015.3.13