【第14回】柱がなくても空は落ちてこないから大丈夫だって真顔で言う委員長、嫌いじゃないよ。 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。

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【第14回】柱がなくても空は落ちてこないから大丈夫だって真顔で言う委員長、嫌いじゃないよ。

2015.05.01 | そらしといろ

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ターミナル駅に氾濫する
音の
ひとつが篠崎さんの歌声
 
同じクラスだったおととしに
 何を話したかは覚えていない
  おしゃべりな人ではなかった
 
からこその
 
 耳から入ったきり
肋のアーチで
 反響し続けている
 
声を拾うことは予備校の問題集を開くより難しくない。
 
   ペデストリアンデッキで滞る
  人の流れを人ゴミと表したい夜を
   淡く浄化する篠崎さんの歌声
 
四角い学校が秘匿した
歌で生きていく方法を
路上で拾い集める少女
 
四角く切り取れない空間の広さを怖がる心へ綴る手紙。
 
夜を忘れさせてくれる
明るく白い四角な予備校の
ビルへ吸い込まれる制服たちへ
 
問うように歌い続けて
アコースティックギターの
サウンドホールへ
 
たゆたう無言の悲鳴があなたの声に憑依する喜びの日。

 
2015.5.1