『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。
ターミナル駅に氾濫する
音の
ひとつが篠崎さんの歌声
同じクラスだったおととしに
何を話したかは覚えていない
おしゃべりな人ではなかった
からこその
耳から入ったきり
肋のアーチで
反響し続けている
声を拾うことは予備校の問題集を開くより難しくない。
ペデストリアンデッキで滞る
人の流れを人ゴミと表したい夜を
淡く浄化する篠崎さんの歌声
四角い学校が秘匿した
歌で生きていく方法を
路上で拾い集める少女
四角く切り取れない空間の広さを怖がる心へ綴る手紙。
夜を忘れさせてくれる
明るく白い四角な予備校の
ビルへ吸い込まれる制服たちへ
問うように歌い続けて
アコースティックギターの
サウンドホールへ
たゆたう無言の悲鳴があなたの声に憑依する喜びの日。
2015.5.1