【第6回】情報処理室のパソコンみたいに私たち、フリーズしている暇なんてないのだ。 | マイナビブックス

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『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。

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【第6回】情報処理室のパソコンみたいに私たち、フリーズしている暇なんてないのだ。

2015.03.06 | そらしといろ

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「手のひらを合わせたまま両腕を頭上にあげて、はいミナレット!」
「ていうか、ベルベル人ってなんか可愛いよね、響きが。」
スピーカーから呼び出しのベルの後に呼ばれたのは、声が素敵な世界史の先生
 
「合わせた手のひらを離して勢いよく机におろして、はい錬金術!」
「そんで、アラベスクは美味しそう、サクサクしてそう。」
コンビニで買ってきた兵糧としてのクッキーは、一袋百円のやさしい歯ごたえ
 
放課後の教室に建設した、理想的なテスト勉強の空間
からだを使って覚える世界史、好評開催中
 
サクサクとクッキーを噛んで唱えるアラベスク
頭の中へはリズミカルに、舌には甘く刻まれる
これがアラベスク、私たちの中ではそれでいい
 
「辞書だと、アラベスクはバレエの基本姿勢の一つなんだってさ。」
「へぇ、あれじゃん、こんな感じのポーズあるじゃん?」
一人は座って辞書を読み、残り四人は椅子から立ち上がりスカートをはたく
 
濃紺のスカートから砂漠の砂みたいな黄色い粒子がこぼれて
ここは教室だけどアラブの世界へ接続可能
 
「右手を斜め上に「うん
「左手を斜め下に「こうかな
「右足で体重を支え「ってことは
「左足は斜め後方に上げる「なるほど!
 
つぶやきながらバランスが失われ
崩壊してゆくこれがアラベスク
私たちの中ではこれがいい
 
なんでもないことがたのしくておかしい
アラブの世界からオペラ座を経由して母国の教室へ帰還して
 
「世界史の先生にこれもアラベスクだってことを教えたいね!」
って、言ったあとには廊下を駆けている
私たち、どこへでも接続可能だ




【アラベスク】クラシックバレエの基本体勢の一。右手を斜め上に、左手を斜め下に、右足で体重を支え、左足は斜め後方に上げる。/小学館『デジタル大辞泉』より引用

 

2015.3.6
 

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