2016.06.15
Macがこれほど自由に振舞ったことが、いまだかつてあっただろうか。
モバイル時代の新しいMac
アップルは創業時から今日に至るまで、企業の源流を引き継ぐMacを大切に育ててきた。幾度かのプラットホーム変更もありながら、そのユーザ体験は連続的であり、伝統的なデスクトップ型とノートブック型のスタイルを貫いてきた。いずれのマシンも、アップル体験のハブの役割を十分に果たす存在だったと振り返ることができる。
MacBookはどうだろうか。薄型・軽量というデザイン性のためにバッテリの構造を変え、コアmプロセッサを採用してファンを廃し、USB-Cというたった1つの外部ポートを残すボディをまとうようになった。つまり、ハブとしての役割は担えないことを意味する。
ミニマリズムでありながら、iPhoneやiPadとの深い連係や、クラウドの活用を前提にすることによって、「モバイル時代の新しいMacとして十分なハードウェアである」と、アップルは言い切る。
MacBookエアよりも、場合によってはiPadプロよりも、そのパフォーマンスは見劣りするかもしれない。しかし、所有と使用という「体験」を構成する要素においては、これまでのどのMacやiPadより、上に位置している。体験はスペックでは規定されない。MacBookはそのことに気づかせてくれる。