2016.06.15
MacBookが搭載する「感圧タッチトラックパッド」は、“押す”だけだったクリックに、“強さ”という新たな概念を持ち込んだ。それだけでも画期的な発明だが、意外なところでは、トラックパッドの“広さ”という面でも、アドバンテージを持っている。
もっとも快適なトラックパッド
MacBookのトラックパッドは、クリックによって前面が沈み込む既存のトラックパッドと違い、物理的には一切可動しない。その代わりに感圧センサが指の圧力を計測し、クリックしたときはリニアアクチュエータが振動してユーザにフィードバックする。この振動の加減が絶妙で、前提知識がなければ下に沈み込んだと信じて疑わないほどだ。
この感圧タッチトラックパッドが、MacBookの薄さに貢献しているのは間違いない。しかしこの技術は単にそれだけでなく、クリックの強さを段階的に判断できるという新しい可能性を見出した。もちろん、現状のOS Xはこの技術をまだそれほど活かせているとはいい難く、「強めのクリック」によるジェスチャや一部のソフトでの筆圧検知など使い道は限られている。しかしこの技術の本質は、これまでになかったアナログ的な入力をMacで実現したという点にある。かつてゲーム専用機がこぞってアナログの操作体系を導入し今では当たり前のものになったように、いずれはこれがスタンダードになり、感圧タッチを前提としたインターフェイスや活用法が次々と採用されていくと期待できる。
さて、MacBookのトラックパッドを語るときは、とかく感圧センサの話題が中心となるが、もう一つ見逃してはならないポイントがある。トラックパッドの物理的な大きさだ。