野呂エイシロウの「ケチの美学」第84回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第84回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

努力はしない

自分で言うのもアレだが、振り返ると、結構努力をしてきたと思う。でも努力が必ずしも実を結ぶわけではない。うまくいかなかったとき、以前の僕は「挫折」という言葉を使っていた。

あるとき、何かの動画で明石家さんまさんのトークを聞いた。

「努力して料理を作っても、まずいものはまずい」

「『せっかく料理したのに彼氏が食べてくれなかった』というが、彼氏が食べなくなかったのと努力は関係ない」というのだ。

僕の心の中の霧が晴れた気がした。

何度もここで書いているが、僕は、大学受験がうまくいかなかった。毎日5時間勉強したのに…と思っていた。

努力が成果につながると信じ切っていた。だが、結果は不合格。それでも“努力病”は続いた。努力疲れもあった。

そんなとき、明石家さんまさんは「努力を努力と感じている人はダメである」というようなこともおっしゃっていた。

それも心にしみる。

だからここ数年、努力をしていない。

「努力」を感じた瞬間に「あれ?」と思って心をリセットをする。

努力していると認識した瞬間にNGを出すのである。そこを意識している。

「好きなこと」だけをするようにしている。好きじゃないことは、役所関係の書類を綴ることである(苦笑)。

このコラムを書くことも、番組の台本を書くことも、会議に参加することも本当に好きなことである。

今出張で三重県の鈴鹿サーキットにいるが、MacBookエアとiPadプロは欠かせない。仕事もできるし、新聞も読めるし、ノートとしても使っている。この2台を使い分けるのが非常に楽しいのだ。

キーボードをいつまでも打っていたい気もする。

努力をしない。人生をとにかく楽しむ。仕事とプライベートの区別もない。とにかく楽しむことがすべてである。

瞬間瞬間を楽しむ。すると、また見えてくる景色がある。努力が実るかどうかは関係ない。好きなことをやるだけだ。ケチだけに。

 

 

誘われて、人生初のオーダースーツに挑戦。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。