【作品】一覧 詩 【第8回】アイツタキ その砂浜を小さな砂色の蟹がかけてゆく 打ち上げられた小さなふぐの身をついばむために 半透明の体を陽光が影にむすび 遠いアトラス | 管啓次郎 詩 【第7回】はだしの星 落ち着かない春の予感のようなものが 地中できらきら光っていて、 足の裏がむずがゆくて仕方ない。 遠いアトラス | 石田瑞穂 詩 【第6回】検見川Weakly Radio 千葉の中学生は水曜日の真っ昼間にサンドイッチ下げて土煙巻く。 春野は怒りに似た草の暑さと、成長しなくていい水色のやつらの 遠いアトラス | 暁方ミセイ 詩 【第5回】アムステルダム 水路が扇のように風を生む北の港町だ 路上を埋めつくすかもめたちをかわしながら歩く こんな冬の底で夏の夜のひまわりを思えば 遠いアトラス | 管啓次郎 詩 【第4回】幻書の街から その街の本屋という本屋 書架という書架におさまった 本は、ページがなくて背表紙しかない。 遠いアトラス | 石田瑞穂 詩 【第3回】妙蓮寺、弁財Temple さても妙なる 青じゃ、青じゃ、と声のするほう 遠いアトラス | 暁方ミセイ 詩 【第2回】緑の海のへりで 港で始まり、港で終わる。 北半球の港で終わり、南半球の港で始まる。 遠いアトラス | 管啓次郎 詩 【第1回】砂洲、旅の瞳 言葉のロードムーヴィーを 撮りたくて、 遠いアトラス | 石田瑞穂 2/2最初のページ前へ…12