【第5回】ぶるるん ぶるるん ぶるるん | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

世田谷区下高井戸で野望の旗を揚げる

世田谷区下高井戸で野望の旗を揚げる

【第5回】ぶるるん ぶるるん ぶるるん

2015.02.26 | さいとういんこ

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10年ちかく 子供を相手にしていたら
けっこう 日々が 擬態音 なった
 
元気よく 出かけるときは 玄関で ぶるるん ぶるるん
泣くときは しくしく めそめそ え~んえ~んだ
おこるときは がおーっであり
おなかが へったら ぺこちゃんだ
 
おとなだけど 言ってみる とりあえずは 脳内で
 
仕事の前は ぶるるん ぶるるん
おひるが近くなったら 「あ~ ぺこちゃん ぺこちゃんですう」
むかつく相手には「がおおおおおっ!!!」
 
帰り道は へとへと とぼとぼ歩き
家についたら ぶくぶくがらがら うがいをし
ごはんを ぽんぽんいっぱいになるまで食べ
お風呂には ぼっちゃーん ばっしゃーん とはいり
眠くなったら 目をごしごしこすり ねんねしよーっと
(ちなみに 野望は がちんがちん ずごごごん)
 
何日か やって バカバカしくなったら やめるけれど
きっと そのころには からだの まんなかのどこかが
まえよりも やわらかくなっているから。ふわふわ ふわ。
インナーチャイルドって やつか? ちがうだろ。
 
結果として 得意でもない 大人や 親をやってるわけだし
自由の余地が 必要なんだ。
 
 

2015.2.26