世田谷区下高井戸で野望の旗を揚げる
わたしは父のおそい子供だったので
わたしの父は
戦争に行ったったことがある
満州に行って 飛行機を操縦する練習をしたけれど
本当には戦わないうちに 戦争は終わった
だから 誰も殺さなかったって
殺さなかったときいて
子供のわたしは 良かったと思った
「わたしのお父さんは戦争で人を殺していない」
だから良かったと思った 子供のわたし
Aあっけらかんと
Aあさはかな
K子供のわたし
戦争で人を 殺したお父さんは
いっぱいいる
ふたつの道は かんたんに分かれる
ぐうぜんよりも あっけなく
さしださなければならない気がする
何かを。
2015.2.19