【第4回】A.A.K. | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

世田谷区下高井戸で野望の旗を揚げる

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わたしは父のおそい子供だったので
わたしの父は
戦争に行ったったことがある
 
満州に行って 飛行機を操縦する練習をしたけれど
本当には戦わないうちに 戦争は終わった
 
だから 誰も殺さなかったって
殺さなかったときいて
子供のわたしは 良かったと思った
 
「わたしのお父さんは戦争で人を殺していない」
だから良かったと思った 子供のわたし
Aあっけらかんと 
Aあさはかな 
K子供のわたし
 
 
戦争で人を 殺したお父さんは
いっぱいいる 
 
ふたつの道は かんたんに分かれる
ぐうぜんよりも あっけなく
 
さしださなければならない気がする
何かを。
 

2015.2.19