【第9回】第九週 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

流星の予感

流星の予感

【第9回】第九週

2014.03.10 | 山田航

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  追っ手はすぐに来る。
  僕と君は一時的に二手に分かれることにする。
  ポンコツとはとりあえずおさらばだ。

直営の野菜売り場へ降り注ぐ雨か陽射しかわからない音

  「しょくぱんまんの食べ方って知ってる? お日様の光でトーストにするんだよ」
  分かれる直前、君は楽しそうにそう言った。

愛の日々はただ繰り返すイントロとサビのコードが同じポップス

 今頃君はいったい何をしているのだろうか。
表情が変はり果てたらポケットの中の糸くず燃やす時間だ

  寒がってはいないだろうか。
北風と星空はまだ座標上その出会ひすら予期してゐない

  南の街のことを思い出すために、
  琉歌を歌った。
  八八八六、サンパチロクのリズム。
  君はいつか三線の音色を、
  所ジョージの声に似ていると言った。
  いまだに共感は出来ない。

ジャマイカ生まれの青年眉まで動かし手話までファンキーだな
TO DOリストが記された墓誌にひたすら冷水かけ続ける

  二日後の24時。
  苔むしたハーレー・ダビッドソンの前で再び落ち合おう。


2014.3.10