流星の予感
逃亡者はとりあえず海を目指すものなのだろうか。
二人くらいは砂丘を目指してみるのもありなのではないだろうか。
でも君が「海がいいの」と言った以上は従うさ。
人が海に沈むシーンで始まつた映画を僕は海として観た
まったく片田舎の道路ってのは、
へその緒にそっくりだ。
守れない約束ばかり増えてゆきドリンクホルダーをはみ出しさうだ
嘘ってのは一生続いても嘘なのかな。
これを旅と言ひ切ることもパンケーキのやうに重ねた嘘の一つさ
ずいぶんとくたびれ始めてきた愛車のために歌おうとしたら、
仏足石歌になってしまった。
問いの時点で答えが出ていることにさえ、
もう答えを出さなくては気が済まない。
逃げるというのはそういうことだ。
夜のたびにへこみの増えるボンネット。ポンコツなのは僕らの方か?――僕らの方さ。
2014.1.27