【第3回】第三週 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

流星の予感

流星の予感

【第3回】第三週

2014.01.27 | 山田航

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  逃亡者はとりあえず海を目指すものなのだろうか。
  二人くらいは砂丘を目指してみるのもありなのではないだろうか。
  でも君が「海がいいの」と言った以上は従うさ。

人が海に沈むシーンで始まつた映画を僕は海として観た

  まったく片田舎の道路ってのは、
  へその緒にそっくりだ。

守れない約束ばかり増えてゆきドリンクホルダーをはみ出しさうだ

  嘘ってのは一生続いても嘘なのかな。
これを旅と言ひ切ることもパンケーキのやうに重ねた嘘の一つさ

  ずいぶんとくたびれ始めてきた愛車のために歌おうとしたら、
  仏足石歌になってしまった。
  問いの時点で答えが出ていることにさえ、
  もう答えを出さなくては気が済まない。
  逃げるというのはそういうことだ。

夜のたびにへこみの増えるボンネット。ポンコツなのは僕らの方か?――僕らの方さ。

2014.1.27