サウンド|MacFan

特集 特集

満足のいく音響を実現するには?

サウンド

文●小平淳一栗原亮中村朝美氷川りそな写真●黒田彰apple.comiFixit

iMacで映像や音楽を思う存分楽しみたいというニーズも強いはず。iMac単体でもよい音を出す仕組みを備えているが、さらに満足感を高めるための工夫も必要だ。

2ウェイスピーカシステム

iMacのオーディオシステムは独特な機構で実現している。その薄い筐体には大きなスピーカを入れるスペースがないし、開口部であるiMacの底面はとても狭く、この厚さに収まるスピーカといえばモバイル機器用の圧電式スピーカしか入らない。しかし、それではデスクトップのスピーカとしては音質も音量も足りなくなってしまう。

そこで、iMacでは斜めにスピーカを配置してスペースを確保しつつ、アルミ筐体と机で音波を反射させてユーザにサウンドを届ける仕組みになっている。そのおかげで、細長い開口部にしては迫力のステレオサウンドを再生できている。なお、それでも口径の大きなスピーカの内蔵が難しいので高域用と低域用の2つのユニットを左右に搭載する2ウェイ方式を採用している。つまり合計4個のスピーカユニットがあの狭い筐体に収まっているわけだ。

肝心の音質は一体型としては及第点だが、机の材質に強く依存することに気がついた。音を吸収してしまう柔らかい材質よりも、ガラスのように硬くて滑らかな表面の机のほうがクリアな音になったからだ。iMacの下側に障害物があるだけでも聞こえ方は変化してしまう。iMac本体と机の天板の間に硬い板を斜めに置くと、反射した音波の違いを実感できるので試してみよう。

 

iMacの構造

iMacのスピーカシステムは、分解写真をチェックすると黒い樹脂ケースに収められた4つのスピーカによって構成されていることがわかる。左右に2対なのでいわゆる2ウェイ方式と思われる。写真は21.5インチモデルだが、27インチも同様の構造だ。音質はモデルによりわずかに異なるが、大差はなかった。デスクトップの日常的な用途では、さほど気にはならないだろう。 写真◦iFixit