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待望の発売から1カ月! 使ってみてわかった新しいiMacの○と×

新iMac実力検証

文●小平淳一栗原亮中村朝美氷川りそな写真●黒田彰apple.comiFixit

買いか否か!? 性能、画質、音質、ストレージ… 全方位からオールインワンMacの真価を問う!

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1年8カ月ぶりのアップデートを果たした新しいiMacは、CPUやGPUといった内部アーキテクチャの順当な世代更新にとどまらず、次世代の高速インターフェイスであるThunderbolt 3(サンダーボルト3)を初搭載するなどきたるべき“未来”を見据えた大幅な進化を遂げている。さらに、前モデルから採用された27インチモデルの5Kディスプレイや21.5インチの4Kディスプレイは、より広い色域を表現できるようにパワーアップされている。初めてMacを使う人からハイアマチュアやプロまで対応できる柔軟なカスタマイズ性も備えたが、一方で、どのモデルを選べばいいのか迷ってしまう人も多いはず。そこで本特集ではさまざまな視点から新しいiMacをじっくりと検証し、優れた点から改善を要する点まで本誌きってのレビュワーが本音で解説する。

 

 

PROLOGUE/iMacはなぜここまで人々に支持されるのか

「iMac」こそがアップルの原点である

 

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【NEW】27インチ iMac

【発売】アップルジャパン
【価格】19万8800円(Retina 5Kディスプレイ、3.4GHzプロセッサ、1TBストレージ)/22万800円(Retina 5Kディスプレイ、3.5GHzプロセッサ、1TBストレージ)/25万3800円(Retina 5Kディスプレイ、3.8GHzプロセッサ、2TBストレージ)(いずれも税別)

 

【NEW】21.5インチ iMac

【発売】アップルジャパン
【価格】12万800円(2.3GHzプロセッサ、1TBストレージ)/14万2800円(Retina 4Kディスプレイ、3.0GHzプロセッサ、1TBストレージ)/16万4800円(Retina 4Kディスプレイ、3.4GHzプロセッサ、1TBストレージ)(いずれも税別)

 

 

シェアはロイヤリティではない

久しぶりのアップデートで大きな盛り上がりを見せるiMacだが、これほどまでに人気が根強く続いている理由はどこにあるのだろうか。

現在のコンピュータ市場のシェアはノートブックが主流になっており、デスクトップを選択するユーザは減少傾向にある。これはアップルも同様で約70%程度がノートを購入しているという。

デスクトップの中でiMacが多くのシェアを握っているものの、いまや「少数派」であることには変わりがない。だがアップルは継続して主力製品と位置づけ、積極的に最先端の技術やデザインを投入するのは、単純なシェア率では測れない「需要」があるからだ。

Macの「売れ筋」といえば、MacBookエアが爆発的な人気を博し、ここ数年で場所を問わず、さまざまなシーンでMacユーザを見かけるようなったことも記憶に新しいだろう。しかし、一方でその使われ方はいわゆる「ライト層」が多い。起動する頻度も週に数回程度で、日々の作業のほとんどはiOSデバイスがメインというケースも珍しくない。

では、本来的な意味での「コンピュータ」を使いたいユーザはどうだろう。アップルはクリエイティブ層を多く抱えるが、ノートであればMacBookプロを選択することが多い。だが、それと同じ程度にiMacの利用者が存在するのだ。

持ち運べるデスクトップの異名を持つMacBookプロは、現場での使用に十分耐えるパフォーマンスを発揮できるが、同等かそれ以上の性能を持つiMacと比較するとコスト面では不利になる。また、性能に比例して発熱量が高くなるグラフィックスカードの搭載上限や、21インチや27インチといった広い画面が使える点もノート型では得られないクリエイティブワークへの大きな利点となる。

このクリエイティブ層に近い使い方をするのが「ハイ・アマチュア」たちだ。写真やビデオ、音楽といったジャンルは機材の差においてプロ・アマの差がなくなってきているが、それはMacも同様だ。こうした要素がMacBookプロだけでなく、iMacに対しても高い需要を生み出す背景になっているのである。

エントリーからスタンダードへ

もう1つの疑問は、なぜデスクトップMacのスタンダードへとiMacが成長できたのか、という点だ。

以前のデスクトップマシンといえば、Macプロに代表されるようなセパレート(もしくはタワー)型が主流だった。拡張性が高く、ディスプレイや入力機器も自分で選択できるカスタマイズの自由度がメインの顧客である「コンピュータ・ギーク」層に受けたのだ。

しかし、実用面で見れば、ここ数年でコンピュータの性能は成熟してきており、以前のように頻繁にアップグレードしなくても性能面での不満はなくなってきている。コンピュータの技術革新は約3年サイクルで起きていると言われているが、現在のMacであれば5年程度は現役で使うことが可能だ。

オールインワンといえば、昔は「丸ごと買い替えないといけないのは効率が良くない」と否定的な意見が多かったが、タワー型で内部をアップグレードしながら常に最新のハードウェア性能を求めるような業種ならともかく、数年のスパンで買い換えればトレンドに遅れをとらない現在の成熟度であれば、iMacのほうがコスト面で見て合理的という逆転現象が起きている。

これはアップルのiMacに対する考え方も影響しているだろう。初代のiMacも当時のハイエンドであったPower Macと同じカテゴリのCPUを採用し、コストパフォーマンスの良さで話題を呼んだ。オールインワンは廉価版、初心者向けというイメージが強かった時代だが、そもそもアップルはiMacを「インターネットにもっとも簡単につながる方法」とは謳ったが、一度もエントリー向けだと説明したことはない。

そもそも、思い返せば初代のMacintoshも一体型であり、このスタイルはアップルの“原点”なのである。つまり、合理性さえあれば最良のデスクトップは形にこだわる必要はないのだ。むしろシンプルな一体型のほうが利点となることも多く、そこに最高の環境を構築する手段こそがiMacのアイデンティティともいえるだろう。

本特集では、このiMacが持つ「デスクトップの哲学」をさまざまな視点で検証を行った。人気を支える設計やテクノロジーが「本物」かどうかを読者諸氏が判断できる、最良の資料として提供できれば幸いである。

 

OVERVIEW/新しいiMacを読み解く10のチェックポイント

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