2016.08.16
Macは特別なデザインツールや市販フォントを用意しなくても、標準環境だけで多彩な日本語デザインができるマシンです。ここではMacユーザがもっと日本語を使いこなすための、とっておきのテクニックを紹介します。
先進的な技術が生んだ表現力
もともとMacは米国で生まれ育ったコンピュータ。日本語の扱いでは不自由な点も多い…。そんな風に考えている人もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、それは大きな間違いです。Macは日本語を快適に扱うために数多くの先進的な機能を採用し、進化してきました。
かつてOS X 10.1では、「APGS(アップル・パブリッシング・グリフ・セット)」という文字規格を採用しました。APGSでは、それまでのコンピュータで一般的に使われていた日本語の文字規格を大幅に拡張した「JIS X 0213」がベースになっており、10.1に標準採用されたヒラギノフォントは実に2万296種の字形を収録していました。つまり、それまではコンピュータで表現することができなかった旧字体などが、OS Xによって表示・入力できるようになったのです。
加えてOS Xでは、ヒラギノフォントをはじめ数多くの日本語フォントを標準で搭載しているというのも大きな魅力です。そもそもヒラギノフォントは、OS Xの登場に合わせてゴシック体と明朝体、それぞれ2種類のウエイトが収録されました。ユーザは作る文書に合わせてゴシック体か明朝体かを自由に選ぶことができ、しかも見出しと本文とで異なるウエイトの文字を利用することができます。OS X登場以前の日本語環境と比べると大きな進化であり、標準フォントだけでも日本語の表現力が大きく広がったのです。