2016.08.16
【鉄則1】書体の「ふところ」を理解して書体を選ぶ
読みやすく美しい書類を作るためにまず気をつけたいのが、「書体(フォント)」の選び方です。では、そもそも書体とはいったい何なのでしょうか? 似たような言葉で「字体」というものがあります。簡単にいえば、字体とは文字の骨格のことで、線で表される文字の形です。この線を肉付けし、面にしていくことで書体になるわけです。当然その際にはデザインという要素が加わり、明朝体やゴシック体をはじめとする文字のデザインが出来上がります。
現在多く使われている日本語のデジタル書体は、基本的に正方形の中で文字がデザインされています。その中の文字の部分を「字面(じづら)」といいます。また字面中のスペースのことを「ふところ(懐)」といいます。一般にふところの広い文字はおおらかで、モダンかつ機能的な印象があります。一方、ふところが狭い書体は引き締まった印象になり、クラシカルで情緒がある文字となります。これを覚えておくと、書体選びの手助けになるでしょう。
ちなみに最近では、ふところの広い書体のほうが人気が高まっていますが、それは横組みに向いている書体だからです。ビジネス文章は横書きで作成することが多いので、ビジネスシーンでも重宝されています。
書体のふところを知ろう
ふところの狭い書体(リュウミン)と広い書体(小塚明朝)を並べてみました。ふところの狭い書体は、もともと縦組み用に作られたものが多く、クラシカルな印象です。一方、広い書体は比較的モダンな印象を与えます。
横書きはふところが広いとスムースに読める
ふところの狭い書体(リュウミン)と広い書体(小塚明朝)によるサンプルテキストです。同じような書体でも、ふところが狭い書体に比べ広い書体のほうが、文字幅の増減が少なくスムースに読むことができます。また、小さいサイズの文字でも比較的大きく見えるところも、ふところの広い書体の特徴です。