【作品】一覧 詩 【第7回】碧 今夜はバーに来ているの、と 君は言う 僕は君の古い写真を眺めている 腰まである長い髪で 黒いブラウス こちらを見る鳶色の目 頬杖をつく ランコントル | 木村ユウ 詩 【第6回】口琴 「──聞こえる?」 運命における偶然というのはわかるにしても 必然、というのは抽象的すぎて僕にはよくわからない ランコントル | 木村ユウ 詩 【第5回】藤棚 駅からバスに乗った 僕はバスの窓に肘をついて 葉のついていない藤棚が流れていくのを ぼんやりと見ていた 否定しないで。 ランコントル | 木村ユウ 詩 【第4回】睡蓮 光と闇は一つのもので 私の闇は私自身なの だから── 否定しないで。 ランコントル | 木村ユウ 詩 【第3回】グラスの月 六月の雨の降る夜だった 僕はいつものようにベッドに横になり トゥワイス・アップにした ウィスキーを飲んでいた ランコントル | 木村ユウ 詩 【第2回】白き火 国道沿いの何もない街だった 東京のベッドタウンになるには少し遠く 地方の小都市となるには少し近すぎていた ランコントル | 木村ユウ 詩 【第1回】トパーズ どこから話す? 何月だったかも思い出せない 低く垂れ込めた雲だけを憶えている 私はそこまであなたを思うことはできない 君がそう言った ランコントル | 木村ユウ 詩 【作家紹介】木村ユウさん 「ことばのかたち ~日々が紙から飛びだして~」Season3。木曜日のご担当は詩人の木村ユウさんです。 ランコントル | 木村ユウ 2/2最初のページ前へ…12