【第4回】強いコーヒーになったら優しいミルクな君とカフェオレみたいな放課後を過ごしたい。 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。

『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。

【第4回】強いコーヒーになったら優しいミルクな君とカフェオレみたいな放課後を過ごしたい。

2015.02.20 | そらしといろ

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いくらか春めく光りを
帯に見せる空気中の埃にさえ
静謐な魂が宿っているような
 
音楽室がある特別棟の
階段に響く金管楽器の校歌も
荘厳な聖歌に聞こえるような
 
         そういう
      なにか    
             ゆらぎやすい
       まひるのまぼろし
 
宙から降ってくる紙が
光りの帯を裁断する
宙から降ってくる声が
僕の鼓膜を通過する
 
         見上げた階段の
        若葉色のまぶしさに
       閉じたまぶたへ焼き付く
      制服のスカート姿を
         縁取るアウラは菫色
 
勢いよく舞うコピー用紙
印刷されている音符を
くちびるで拾ってみせる
「すいません、先輩」
           声をかける彼女は吹奏楽部の後輩 僕は合唱部
           卒業式で一緒に校歌を演奏する それだけの縁
 
   僕には死ぬほど似合わない
          ゆらぎやすいスカートの裾
彼女の膝でゆれているとき
            僕には学ランが必要なんだ
 
アルバムを塗装する金色のメッキは トランペットからもらう

 

2015.2.20