【第12回】某月某日(12月) | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

ここと うたと ことばのれんしゅう

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【第12回】某月某日(12月)

2014.12.06 | 今橋愛

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某月某日
ともだちに会う。わたしが ここ様連れの為、
気づかって彼女がわたしたちの住んでる町まで来てくれて
お昼ごはんは子連れママは大助かりの「さと」で
個室で座敷やから だいぶん楽で良い。のではあるが
前はそこまで気をとられてなかった机に置いてある
こども用のミニミニがちゃがちゃ(?)らしきもの。に
ここ様今回は興味を示して、さいころか?という感じでころころころころ 
たたみの上にころがす。の為、
とうなん(金や物をぬすまれること)防止のブザーが 
ぴいーっとなって わたしは ひいっ。とあせること数回。
さとやから多分和食の何かしらをたべたのだけど 
あせっているので味は よくわからない。
場所を変えて次の店では甘いものとお茶。ともだちはビール。
ソファの席でも1秒たりじっとすることはなく、
うごうごするここ様のために、 
フランスの人らしきお給仕のひとがやって来て
ラムネいりますか? ここ様は興味しんしん。だけどちょっと警戒している。 
そしてもらったラムネを食べ、ラムネをこぼしたりしながら
コースターということばも、
これが何をするものなのかもわからないここ様は
コースターを突如床に放りなげ、
そうしたらまたフランスの人やってきて 
だいじょぶですか? 事情をつたえるとコースター行方不明やのに
だいじょぶです。とえがお。
このフランスの人のおかげで 
ここ様が御機嫌をそこねるまでの時間が、ぐんと伸びたことです。
けど折角伸びたここ様の御機嫌もじきに 
ぐずっぐずの雨もようになって 
あわてて店を出る もうすぐ40才くらいの女2匹と、
けものらしさを、まだたくさん残している1才8ヶ月の3匹だった。
 
 
某月某日 
ともだちが昨日
歩いてひと山を越えて(←山を超える?!)
有馬温泉行ってきてん。といって、
有馬温泉のパックと有馬のゆ(入浴剤)をおみやげにくれたので 
さっそく使ってみることにする。
有馬のゆにつかりながら
貼りつけたパックが ひふに。ひんやりとつめたい。きもちいい。
肩のちからが ふーっとぬけていく。
ああこれは自分をいたわる行為だよ。と
数年ぶりのパックに いやされるのだった。
 
某月某日
今日の朝 何気なしに頰にさわったら 
ひふが ちがっていて おどろくことです。
ひふが やわらかくなっている。
パックすごい。有馬温泉すごい。
こうなったらパックしようかな。
 
 
すいこまれる
つれてゆく とける
のびてゆく
 
際限のないおんがくだった。

2014.12.6