【第4回】ここと うたと ことばのれんしゅう2 | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

ここと うたと ことばのれんしゅう

ここと うたと ことばのれんしゅう

【第4回】ここと うたと ことばのれんしゅう2

2014.10.11 | 今橋愛

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某月某日
書きませんか。というメールが来て
このまま ぼーっとしてんのは 
そろそろあかんとおもって、
とにかく何かしらを書くことにした。
書くことに「した」ら
頭の中が「しよう」として「していて」
頭の中が起きて
頭が ことばのれんしゅうをはじめている。
これは、ここ(むすめ、1才6ヶ月)がおなかに来るまえは 
頭がひとりでにやっていたことではあるけれど、
まさか、これが、また はじまるとは思ってなかって、
スイッチが入ったんか、
はじまってきたら突如やから どれくらいとかなくて
ただただ脳?頭?が 
思いつくことばや 目にうつるもの、思うこと
ぜんぶをつぎつぎ発音していくから
この頭のなかに まだ慣れなくて 今は ちょっと頭がしんどい。
はやいめにブドウ糖を買って、
あたまに摂取せなあかんとおもう。
 
某月某日
NHKの子育て番組で、
こどもが半年間のり巻きしか食べません。と
そうだんするお母さんがいて、
うえにはうえがいるものだ!と注目していたら 
専門家の先生が、
5才くらいまでは(のり巻きだけでも)だいじょうぶ。
というようなことを言っていたので
まあまあ安心した。
 
某月某日
毎日キューピーコーワゴールドを朝、ひと粒 飲みながら、
なんとか。ようやっと毎日をやっているのではあるけれど 
どうにも。あかんわ。となって、
実家から しゅっと とってきた
『女の絶望』(伊藤比呂美著、光文社)の
現在 該当しそうな かしょ、
『水無月 子ゆえのやみ』を読んでたら 
 
『まず、あなた。疲れて、余裕がなくなって、楽しいことなんか何もなくなってませんか?まず化粧品をひとつ買い、服を買い、本を買い(拙著『伊藤ふきげん製作所』がとくにおすすめ)、そして、自分のために、花を買います。自分をかまってやるんですよ。(以下つづく)』
                  (『女の絶望』 伊藤比呂美)
のところで、これは!と なって  
知らんまに えんぴつで線をひいて、
うえの余白にほしを書いていた。さすが詩人やわ。
これ やってみよ。
 
 
ことばのれんしゅう → 歌集をよむこと  
最近よんだ歌集
(『オーロラのお針子』藤本玲未)の中から すきなうた 
 
ひたひたとゆれる夜には蒟蒻にひと通りの愚痴をこぼした           
                     藤本 玲未


2014.10.10