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掘り出し物「将棋年鑑名局ダイジェスト81 昭和60年~平成16年版」

2015.03.23 | 米澤孝至

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こんばんは。編集部の米澤です。
今日はちょっとした大掃除でした。
自宅の掃除は苦手な私ですが、一応編集部内では一番掃除が好きなので、今日はかなり頑張って掃除しました。

そして大掃除のたびに、何らかの掘り出し物があります。
今回の掘り出し物はなかなかの逸品です。



「将棋年鑑名局ダイジェスト81 昭和60年~平成16年版」

将棋世界のK氏が「昔の将棋年鑑の特典だよ」と言っていたので、恐らく間違いありません。
ちなみに目次はこんな感じ。



いいとこ取りで81局、将棋年鑑形式の解説が楽しめます。
ぱらぱらーっとめくっていると、目にしたことある将棋ばかり。

最近の書籍で最も印象に残っている鮮烈な一手がばっちり図面付きで載っていたので今日はそちらを紹介します。
平成3年10月14日、第39期王座戦第5局千日手指し直し局です。

今の情報で対局者が分かった方はなかなかの将棋マニア。
福崎八段が谷川王座を破りタイトルを奪取した一局です。



ここで絶妙手があります。
ヒントとして、正解手に対する将棋年鑑の解説を。

「詰将棋感覚の絶妙手。▲同歩なら△8七歩成以下詰みとなる」

ヒントになっているのか微妙ですが、答えは最後にて。
かなり難問だと思います。

余談。
今回、「将棋年鑑名局ダイジェスト80 昭和43年~昭和59年版」も発掘しました。
これくらい古くなると、将棋年鑑のレイアウト自体が今とは違うので、いろいろと新鮮です。



しかしこの頃の特典は豪華ですねぇ…。


★解答

△9六桂!!



まさに鬼手。
歩頭の桂が正解です。
初めて見たとき、かなりびっくりした気がします。
▲同歩で手順に端に逃げ道ができ、先手が得できそうなだけなので、どれだけ考えても思い浮かびそうにありません。

▲同歩には、△8七歩成▲同玉△8六歩▲9七玉△8五桂▲8八玉△8七銀でトン死。
妖刀、恐るべし。

この一局については現在編集中の某書籍と「将棋 好プレー珍プレー集」でも舞台裏が描かれています。

ではでは。