とうめいなおどり
チョコレートの板
のように
筋が刻みつけられた
てらりと光るその
ひとり用の
肘かけ椅子
あなたの腹筋
のような
そこへ
誰が座っても
重みはわずかな凹みとなり
すぐに消えてしまう
いつだってそんな
何食わぬ顔で
生きてきたのでしょう
どの重さも
相殺して
縮みきらない
スプリングみたい
魂の密度など
受けとめることもなく
重力のこと知っていた?
あなたの○○の
重さのことよ
今日 私は
洒落た木のブラインドを開けて
奥の部屋にあなたを入れる
あなたは窓に気づく
よい窓
よい
絹の紗のかかった窓に
あなたが窓のうちで
私を横たえるとき
私の腹から手が伸びて
その腰に
大地の重さを教える
2015.6.25