【作家紹介】福間健二さん+文月悠光さん | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

POETRY FOR YOU

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【作家紹介】福間健二さん+文月悠光さん

2014.09.08 | 福間健二+文月悠光

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9月15日から始まる「ことばのかたち ~日々が紙から飛びだして~」Season3。月曜日のご担当は詩人の福間健二さん+文月悠光です。




福間健二(ふくまけんじ)
1949年、新潟県生まれ。詩人・映画監督。詩のほかに、翻訳、映画批評など、幅広く活躍してきた。英文学と表象文化論の研究も。近年は映画にも本腰を入れている。2011年、詩集『青い家』で萩原朔太郎賞と藤村歴程賞をダブル受賞。そのほかの詩集に現代詩文庫版『福間健二詩集』99、『秋の理由』00、『侵入し、通過してゆく』05など。映画監督作品に『岡山の娘』08、『わたしたちの夏』11、『あるいは佐々木ユキ』13など。


白紙状態で
夏は旅をした。七月には大西洋上のアソーレス諸島をめぐり、八月の終わりには奄美の徳之島に行った。遠くに行き、見知らぬものと出会う。自分のなかに「次」を受け入れる白紙状態がひろがってくることにワクワクした。何が来るのか。どこに連れだされるのか。わからなくていい。わかろうとしないほうがいい。詩と同じだと思った。これからはじまる文月悠光さんとの「対詩」の16週間も、そんな白紙状態で臨みたいと思っている。(福間健二)




文月悠光(ふづきゆみ)
詩人。1991年生まれ。2010年、高校3年の時に出した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』で中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少受賞。2013年、第2詩集『屋根よりも深々と』刊行。雑誌に詩、書評などを執筆するほか、NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」での詩の朗読など広く活動中。


POETRY FOR YOU開始に寄せて
消えてしまう言葉に興味がある。他者から受け取った言葉、自分が発した言葉……多くは記憶の中に打ち捨てられて、知らぬ間に消えてしまう。たけど読んだその人が生き続けるのなら、それは十分価値のあるものだ。何かを変える力も起こす力も最初から人に備わっていて、言葉はそれを呼び覚ます装置にすぎないのかもしれない。「装置」なんていうと無機質で冷たい印象だけど、詩はその装置を好んで生まれてくる。消えることがわかっているから語れることもあると思う。そんな心境で始まる、福間さんとの詩のリレーです。(文月悠光)