【作家紹介】川口晴美さん | マイナビブックス

詩、短歌、俳句の新しいカタチを探ります。紙から飛びだした「ことばのかたち」をお楽しみください

ビタースイートホーム

ビタースイートホーム

【作家紹介】川口晴美さん

2014.09.12 | 川口晴美

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加



9月15日から始まる「ことばのかたち ~日々が紙から飛びだして~」Season3。金曜日のご担当は詩人の川口晴美さんです。



Photo:Miyuki Ashida

川口晴美(かわぐちはるみ)
福井県小浜市出身、東京在住。著作は『現代詩文庫196 川口晴美詩集』(思潮社)、アンソロジー詩集『詩の向こうで、僕らはそっと手をつなぐ。』(ふらんす堂)編&解説など。詩をあいするのと同じ勢いでマンガやアニメにもあいをそそいでいて、だいぶ腐っています。



『ビタースイートホーム』
かつて存在していたけれど、もうこの世のどこにもない家。何の変哲もない地方の市営住宅は映像に残っていないし、写真は……撮ったことがあるだろうか。どこかに仕舞いこまれていたとしても探し出せない。今はわたしのなかにだけ、刻々と輪郭を滲ませながら存在している家に、言葉で近づく。言葉で触れて、入っていく。触れたところからきっと形は変わって、どこにもなかった空間になって、現われる、苦いのか甘いのかわからない記憶。(川口晴美)