2016.09.13
Happy Maker!|「オタクの自分」を前面に出すことでターゲットとの距離を縮める [Case Study #04]オタク向けに特化した婚活コンテンツを発信
オウンドメディアは、自社が獲得したいターゲットに則った記事内容、集客方法を考える必要がある。その参考の1つになるのが「オタク専門の結婚相談所」の事例だ。
Photo:小平淳一
Happy Maker! http://otakukonkatu.net/
横井睦智
Happy Maker!代表。あちこちで行われている「婚活パーティー」がオタクには向かず、むしろお見合いの形式の方が相性が良いはずだと考え、オタク専門の結婚相談所を開く。拠点は岐阜県羽島市にあるが、相談があれば東京・大阪・名古屋をはじめ全国どこでも対応するという。
オタクの婚活をWebサイトでバックアップ
「たとえ趣味が合った相手でも、オタク話ばかりはNG。それだと、恋愛対象じゃなくてただのオタク仲間になってしまいます」
そんなお見合いの時の心得を語るのは、仲人士の横井睦智さん。横井さんは、「Happy Maker!」という屋号でオタクの婚活を支援する、ちょっと変わった仲人士だ。拠点は岐阜県にあるが、相談があれば全国どこでも対応する。安易な婚活パーティを開催するのではなく、コンサルティングをしながらお見合い相手を紹介していくというスタイルが支持され、日本中から相談・入会依頼が寄せられている。
そもそも、拠点が岐阜県にあるといっても、それはあくまでデスクワークのための事務所。店舗営業をしたり看板を出したりしてるわけではないため、集客はほぼすべてWebサイト経由になる。それでも日本中で引っ張りだこなのは、やはり自社のサイトをオウンドメディア化し、積極的に自らをアピールしているからだ。
横井さんのWebサイトでは、自らの紹介や相談プランの紹介のほか、オタクのための婚活ノウハウや婚活の心得が毎週記事として公開されている。内容は「真夏の婚活にオススメするスーツの着こなし」といった、オタクかどうかに関係なくすべての人に共通する婚活テクも多いが、中の文章には横井さんの好きなアニメ「ラブライブ」の歌詞の引用があったりと、横井さんのキャラクターが伝わるようなコンテンツになっている。もちろん横井さん自身、根っからのオタクだ。こうした独自の記事を提供することで他の結婚相談所との差別化が図られ、しかもターゲットであるオタク層の親近感を得ることもでき、最終的な問い合わせへとつながっていく。
4コママンガの記事は親和性が抜群
さらに最近は、こうした婚活ノウハウのほかに、マンガを使った記事も掲載するようになった。
このマンガは、横井さんが相談に乗った元会員で、めでたく成婚退会した女性マンガ家が描いている。彼女が成婚退会するにあたり「ぜひ何かお礼を」ということで始めたのがきっかけだが、しっかりと原稿料を支払って連載してもらうことにした。
マンガの登場人物は、彼氏いない歴=年齢のオタク女子(いわゆる「腐女子」)。婚活パーティなども行ってみたがいい出会いに恵まれず、やがて横井さんの「オタクのための結婚相談所」にたどり着いて…といったストーリーが4コママンガで展開される。
そしてこれが、自社サイトの記事の中でもとりわけ大きな反響を呼んでいる。