仮登録と制限緩和|WD ONLINE

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特別企画 [PR] Web Designing 2024年2月号

仮登録と制限緩和 知ってる? CO.JPドメイン名のこんな制度

多くの会社が登録しているCO.JPドメイン名には、「日本で登記・設立されている組織が、1組織につき1つだけ登録できる」というルールが存在します。では、新会社を設立する場合や、社名変更・合併・事業譲渡などが生じる場合、その扱いはどうなるのでしょうか。JPドメイン名の登録・管理を行う日本レジストリサービス(JPRS)の渡邊千裕さんに聞いてみました。
Illustration:高橋 未来

渡邊 千裕さん
株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 上級ウェブ解析士・PRSJ認定PRプランナー/2012年からJPドメイン名の登録・管理に従事。ECサイトの企画営業を経験した後、現在は広報として、ドメイン名・サーバー証明書に関する情報発信や講演、Webサイトの管理を担う。趣味はSEO。https://jprs.co.jp/
 

 

会社設立前でもOK! CO.JPドメイン名の仮登録制度

上で述べたように、「co.jp」の登録には、「登記・設立された組織」であることが条件の1つになります。そのルールに従うと、まだ登記されていない、設立前の会社は「co.jp」の登録ができないということになります。

しかし、準備の段階からドメイン名を利用したいと考える会社は少なくないはず。そうしたケースのために、法人登記を行う前からドメイン名の登録ができる「仮登録申請(以下、仮登録)」が用意されています。仮登録したドメイン名は通常のドメイン名と同じように、Webサイトやメールアドレスに利用できます。

渡邊さんは仮登録を使うメリットとして、「会社設立前からWebサイトやメールを使ったプロモーションやブランディングを実施したり、名刺等の印刷物の準備ができること、さらには希望のドメイン名が第三者に使用されるのを防げる点にあります」と話します。

ただし、仮登録を申請した日の6カ月後の月末までに法人登記を完了させて本登録申請をしないと、仮登録ドメイン名は廃止となります。廃止されたドメイン名は一定の凍結期間を経た後に第三者でも登録できるようになります。こうしたスケジュールをよく理解した上で申請を行うようにしましょう。

ドメイン名の仮登録の期限について
ドメイン名の仮登録は申請完了日から6カ月後の末日まで有効となります。申請は法人登記完了日から逆算して実施しましょう
 

 

会社合併や組織名変更時に活用したい「制限緩和」制度

「co.jp」は「1組織につき1つ」が原則ですが、複数の会社が合併した際、合併前に使っていたそれぞれの「co.jp」を引き続き利用したいと考える会社は多いでしょう。これは、組織名変更時に旧社名の「co.jp」に加えて新社名で「co.jp」を登録する場合や、事業譲渡を行った場合にも当てはまります。

こうしたケースでは、例外的に、1つの組織が複数の属性型JPドメイン名を登録することができます。この制度を「1組織1ドメイン名制限緩和(以下、制限緩和)」といいます。

渡邊さんは、この制限緩和のメリットを「従来活用してきたドメイン名を継続利用できることで、第三者に登録されるリスクを排除するだけでなく、WebサイトのURLやメールアドレス変更による手間を取引先やお客様におかけしない点にあります」と言います。

なお、この制限緩和は、制度がスタートした2014年2月17日以降に発生した合併・組織名変更・事業譲渡が対象となり、その事実が客観的・公的に確認できることが条件となります。注意したいのは、それぞれのドメイン名が同じ管理事業者(指定事業者)で管理されているとは限らず、事業者によっては制限緩和に対応していない場合がある点です。そのため、事前に問い合わせをするなどして、ドメイン名の管理状況を確認しておくことが必要となります。

渡邊さんによると、この制限緩和は、Web制作会社で働く人の間でも意外と知られていない制度とのこと。これを機会にぜひ覚えておきましょう。

ドメイン名制限緩和の例
 

 

 

本記事は株式会社日本レジストリサービス(JPRS)とのタイアップです。

掲載号

Web Designing 2024年2月号

Web Designing 2024年2月号

2023年12月18日発売 本誌:1,680円(税込) / PDF版:1,580円(税込)

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第1特集
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⚫︎第1特集:【デザイン基礎講座】
デザインの基礎を知っているだけで、伝わり方や伝え方は変わります。本特集では、「レイアウト」「色」「文字」の基本を押さえた上で、「Webデザイン」の大事な考え方をはじめ、ビジネスで多用する「資料作成」など、幅広い内容のデザインについて解説を行っています。「なんとなく」や「雰囲気」ではなく、再現性のある確かなコミュニケーションを図ること。それこそが、Webビジネスのクオリティを高める第一歩かもしれません。

Part1_【デザインの基礎】レイアウト・文字・色の基本原則を押さえる
レイアウトの基本原則を理解する:情報の整理と差別化 / デザインに必要な4つの原則 / レイアウトの規則性…etc.
配色の基本原則を理解する:色の性質と選び方 / イメージと色
書体の基本を理解する:書体の種類と選び方 / 文字組みの重要性

Part2_【Webサイトのデザイン】心地よいユーザー体験のためのデザイン
_見せる情報と隠す情報: アコーディオンで開閉 / 長いものは続きを隠す / カルーセルでスライド…etc.
_適した動きの可変レイアウト: デザインに合った変化に / 安定したソリッドレイアウト / 柔軟なリキッドレイアウト…etc.
_“普通”の文字サイズ: 基準となる文字サイズと行間 / Google 検索やnoteを参考に
_リンクの有無を明確に: 誰もがリンクだとわかる表現
_画像や動画を快適に表示する: 画像の基本的なフォーマット / 次世代型の画像フォーマット / 動画フォーマットの使い分け
_アニメーションが活きる場面: 動かす効果と役割 / 変化の過程を見せる
_アイコン画像の活用:情報をアイコンで表現
〈 Webデザインの味方となる便利サイト8選 〉

Part3_【ビジネスのデザイン】装飾的ではなく機能的なデザインのポイント
_資料や企画書の見せ方: サブ要素はグレーで表現/ 図は線の囲みを少なく…etc.
_グラフやチャートのデザイン: 吹き出しでグラフ内を説明/流れを視覚化する…etc.
_チラシ/ペラもののデザイン: ここぞ! という文字は丁寧に処理 / アイコンで直感的に…etc.

【特別企画】
非デザイナーのためのデザインオーダー術

【コラム】
「商品の魅力を引き出す」ためのスマホ写真の心得と撮影の基本
非デザイナーが重視すべきビジネス文書のデザイン視点


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第2特集:「使わない」からはじめる
マーケティングフレームワークの“正しい”使い方
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どうもフレームワークを上手く使いこなせない、使っている場面に居合わせてもイマイチ納得できない。これが本企画の始まりでした。そこで思い切って、トライバルメディアハウスの池田紀行さんにぶつけてみたところ、返ってきたのは「最初からフレームワークを使わない」とのお言葉。え、それってどういうこと? からスタートするこの話、きっとフレームワークを使いこなすための考え方が変わると思います。

_マーケティングにおいてフレームワークは正解への近道か?
_独自のフレームワークを開発する背景とその利点
_「使わない」からはじまる独学ステップ
_フレームワーク活用度を高める反復トレーニング


⚫︎連載
・Personalization X オムニチャネル
・文章力を上げる鉄板ルール
・どうする要件定義
・ECサイト業界研究
・ど根性ディレクション道
・データのミカタ
・知的財産権にまつわるエトセトラ
・コラム「デザイン」