2017.08.29
【越境EC成功事例】電子決済、すぐできますよ[SAMURAI STORE] 越境EC歴15年のベテランだから断言する。
越境ECに興味があり挑戦を考える事業会社、個人事業主にとって、高いハードルに感じさせている1つが電子決済サービス。越境EC歴15年のベテランは「すぐ開設できますよ」と背中を押す。その真意は?
国内外を相手に甲冑の販売 リアル店舗16年、越境EC歴15年
SAMURAI STORE(以下SAMURAI)は甲冑をはじめ刀剣類(居合刀・装飾刀)を販売し続けて16年、2002年からは越境ECも始めて、世界中のコレクターの支持を集めてきた。ショッピングサイトを覗くと、「真田赤備 羅紗(らさ)陣羽織付」48万円など高額。30~300万円がSAMURAIで売れるボリュームゾーンだそうだ。
SAMURAIを立ち上げた桐田敏彦氏は、もともとeBayに入社したが、2001年にeBay Japanの撤退を機に独立。個人事業主として、日本の工芸品を自ら仕入れて販売したり、コレクターや骨董屋の依頼でeBayでの出品代行も行う中で、甲冑を専門的に扱うようになったそうだ。
「以前からeBayは、一ユーザーとして利用していました。インターネットオークションサイトにずっと興味があって、好きだったこともあり、結果的には黎明期から越境ECに携わるようになっていました」
70カ国以上の販売実績を持つまでに成長したSAMURAIは、2017年7月、ルイーズスクエアと事業合併。現在はサムライストア事業部として再スタートし、東京・北青山にあるAO Aoyamaに店舗も構えている※。取材当日、店舗にうかがうと、偶然東南アジア系の家族の一団が店舗にやってきて、商品を覗いていた。
※ 〒107-0061 東京都港区北青山3-11-7 AOビル 2F 03-6452-6311
電子決済サービス開設よりも重視すべき開設後の対応
2002年の越境EC開始以来、PayPalを導入しているという。SAMURAIのオンライン決済サービスはPayPalのみでの開設だが、電子決済サービスについて桐田氏に話を向けると、「開設準備に躊躇するのは、もったいない」と強調した。
「独立した当初は、eBayと独自サイトの両方を運用していました。eBayがPayPalを利用していますし、当時は黎明期で選択肢がなく選びましたが、PayPalは自分で開設しました。確かに英語のやりとりは発生しましたが、簡単なやりとりで済み、すぐ開設できた記憶しかありません。もし越境ECに興味があるなら、当時と今の状況は違いますが、PayPalの場合は割とあっさり開設できると思います」
開設に際して、決済サービス代行会社を通すべきか、通さずやるかは判断が分かれるところだ。もし、中国系のアリペイやWeChatPayのように中国語の問題、中国事情が二転三転するような状況があれば、初めての開設には決済サービス代行会社への相談が無難そうだ。
一方PayPalは、新規登録の案内が本サイトで開示されているが、本人(法人)だとわかる基本情報の入力などをWebで行えば、頭を悩ませるフローはない。試しに開設だけしてみて、次のステップに備えておく手はある。
「開設ではほとんど悩みません。その分を、開設後のマーケティングプランやECショップの具体的な施策を考える時間に費やしたほうがいい。開設しただけでは何も始まらないからです」