2017.04.26
私たちはすでにAIと暮らしている
新聞やテレビでもさまざまな切り口でAIについて取り上げていますが、AIは遠い世界の話ではありません。まずはAIについてあらためて考えてみましょう。
三度目の正直!? 広がるAIブームの正体
“人工知能(AI)ってなんだろう?”
この質問に対する答えはひとつではありません。どこからどこまでが人工知能なのか、明確な基準がないからです。それでもあえて定義するなら“自ら考える力を備えたコンピュータ”と、ここでは答えたいと思います。
人工知能研究の歴史は長く、すでに何十年も研究されてきました。1960年代の最初の人工知能ブームには、テキスト対話システムのELIZAがいました。とうとうコンピュータと話せる時代が来たと胸を膨らませた人もいたようですが、実は単純なパターンマッチで実現してるため、期待ほどの結果を生み出すことはできませんでした。
1980年代、エキスパートシステムの登場により、第二次人工知能ブームが訪れます。エキスパートシステムとは、分野特化のシステムのことで、たとえば「バスの予約をするシステム」「献立を推薦するシステム」のようなものです。ただ、「もし○○ならば××」というルールで推論することにより成り立っていたため、複雑な推論が必要な分野においては有用ではありませんでした。
どちらのブームも10年程度で下火になり、人工知能には冬の時代がやってきたのです。それならもしかして今回も…と、悲観的になってはいけません。そうとも言えないのが現在の第三次人工知能ブームです。これまでのブームは、学術的な限られた人の間での盛り上がりに過ぎなかったのですが、今回は一般人も巻き込んで広まっています。また、Amazonのレコメンド機能や携帯電話の予測変換などのように、世の中にはすでにいたる所で人工知能技術が使われ、私たちは日々その恩恵を受けて生活しています。人工知能はすでになくてはならない技術なのです。