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特集一覧 Web Designing 2017年6月号

えっ! 「AIがマーケティングを変える」だって!? AIは「便利ツール」が登場した、と捉えよ!

話題のAI。なんだか凄いものが登場してきたみたいだけれど、自分達の仕事には関係ないね、と思っているあなた。それは大間違い。実はAIは、マーケティングを変える新しいツールなんです! アイアクトの西原中也さんが教えてくれます。

1. AIの正体見たり! ただのつながり発見器!?

最近「AI」人工知能に関するニュースがとても多いですよね。車の自動運転と深く関わっているとか、将棋や囲碁で人間に勝利したといったテーマで、毎日のように話題になっています。しかも同時に、「人の仕事を奪う」とか、「人間の知能を超える」といった語られ方をすることが多いこともあって、AIを特別な技術のように感じている方も多いのではないかと思います。

しかし、そういった面ばかりが強調されることで、AI技術の現状やそのメリットといった大事な部分が見えにくくなってているんじゃないかな、と思います。

確かに、AIはこれまでの技術にはない側面を持っていますから、新しいことがどんどん起きることは間違いありません。だからと言ってAIは人間のように何かを「考える」ものではありません。ではAIに何ができるのか。簡単に言うと、モノとモノとの間の「関連性」、つまり「つながり」を見つけ、その度合いを測ること、それだけなんです。しかもこれは特別なことではなく、人間にだってできることです。ただし、それを人間がやるととんでもない時間がかかります。何千年、何万年…。それを、AIはわずかな時間でやってくれるのです。

ではその「つながり」とはどういうものか。それを実感できるのが、IBMの「シェフ・ワトソン」というWebアプリケーションです。これは素材や料理方法などの情報を入力(選択)するだけで、まったく新しいレシピをつくってくれるアプリケーションです。たとえば「豆腐をロシア風に調理して食べたい」とか、「母の日に食べるパスタを豆腐を使って作りたい」といった要望をふまえたレシピを瞬時に、自動的につくりだしてくれます。

なぜそんなことができるのか。シェフ・ワトソンには、あらかじめ数万件にも及ぶ、大量のレシピや素材に関するデータ、その感想などのデータを読み込ませて解析をさせてあります。そのため、すでに「豆腐」が他のどんな素材とつながるのか、つまりどんな素材と合うのか、あるいはどんな素材の代わりとなるのか、また調味料や調理法との相性はどうか、といった膨大なデータを持っています。その一方で、「ロシア風」の料理を実現するための、どんな素材や調味料が必要かといった情報も持っています。

それら独自の「つながり」の情報の中から「豆腐」と「ロシア料理」の両方と関係の深い素材や調味料はあるか…。ワトソンはそんなつながりを探し、見つけ出すことができればそれらを組み合わせたレシピにする、というわけです。

ここで大事なのは、事前のデータ解析ということになるのですが、シェフ・ワトソンは、レシピなどのデータから、いったいどうやって「つながり」を見つけ出しているのでしょうか。

そこで行われているのが文章の解析です。文章の中にある単語同士の関連、たとえば「甘い料理には砂糖が使われている」といったようなことをひたすらに、一つずつ確認していきます。人間だったらうんざりでしょうが、コンピュータ上で動くAIは文句の一つも言わず、徹底的に調べ上げてくれます。そうすることでAという素材とBという素材は一緒に使える(関連性が高い)とか、Aの代わりにCが使えるな、といったことが組み立てられるようになるんです。

シェフ・ワトソンがつくりだしたレシピの中には、これまでの常識から大きく逸脱したような、不思議なものが少なくないので、まるでワトソンが考え出したかのようにも見えるのですが、そうではなく、人間がこれまで知らなかったつながりを活用して、表に出してきただけなんです。

Check!
AIが人間を滅ぼすのでは?新聞やテレビでAIが取り上げられると、必ずそんな疑問が付け加えられます。その「予断」こそが、AIの本当に便利な点を見えにくくしているのです。

Check!
AIが見つけ出すのは、ビッグデータの中にある、個々の項目のつながりとその度合いを測ること。人間には決してできない面倒な作業もすぐにやってくれます。

Check!
シェフ・ワトソンは誰でも 利用できます(英語)。以下サイトを訪れてレシピを作ってみよう。URL:https://www.ibmchefwatson.com/

AIがマーケティングのここを変える

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掲載号

Web Designing 2017年6月号

Web Designing 2017年6月号

2017年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

サンプルデータはこちらから

企業のIT推進担当者やネット運営者に向け、ネットビジネスの課題を解決するノウハウや最新情報をお届け。徹底した現場目線とプロへの取材&事例取材で、デジタルマーケティング施策に取り組む上での悩みや疑問、課題を解決するヒントを紹介します。

6月号のテーマは「AI」です。「え!?」と思った人、ぜひ本書ですでに直面している現実をご覧ください。

現在、ビジネスのキーワードとして飛び交っている「AI(人工知能)」。人間の脳の代わりとなり、さまざまな仕事をAIが賄ってくれる未来像がネット上でも飛び交っています。「人間の仕事を奪うのではないか」「人間を支配するのではないか」そういって煽るメディアも多々ありますが、果たして現在のAIとは、本当にそんなSFのような話なのでしょうか?
答えは「今はNO」です。
むしろ、AIはインターネット、そしてSNSといったものと同じ、現在のマーケティングを加速させる「新しいマーケティングツール」なのです。

一方、AIの導入は巨額の開発費を投資できる大手企業の話であり、自分たちのような中小規模の企業には関係ないと思っていませんか?
答えは「NO」です。
むしろ、時代の流れに少なからず影響を受ける中小企業こそ、大手との仕事のため、企業成長のため、正しい理解と認識が必要です。

AIは今すぐに、多額の投資をしなくとも活用できる状況がすでに作られています。
人工知能によってマーケティングにおけるあらゆるコミュニケーションが変わっていく可能性があり、そんな時代はもうすぐそこまで来ています。仕事の効率化、人件費削減など中小企業が抱える長年の課題に対する解決の道筋をつけてくれる可能性が大いに有り得ます。
御社の競合がAIを使った施策を行っている、そう聞いてからでは遅いのです。
本特集では、今、現場で活用できるAI技術を使ったWebマーケティングの方法と、それによるリソース面、予算面のメリットまで追求します。

第1部 【中小企業Web担こそ!】いますぐAIを検討すべき理由
●いますぐ使えるAIの基礎理解
●図解・AIがマーケティングで注目される理由
●AIの仕組み~要するに、何をしてるの?~
●AIをビジネスツールとして活かすには

第2部 AIを現場の即戦力にするメリット
●AI搭載型botでオペレーションコスト低減へ!スモールスタート可能なチャットボット活用法
●AIの機能は「分析」ではなく「分類」だ!AIの導き出す「答えの見方」
●実録・AIでFAQを作る
●こんな身近にある!AIツール

など

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