2017.01.12
スモールビジネスにおける動画の効果測定 動画の効果をどう考えるべきか?
動画広告を展開する、もしくは動画を通じて集客やブランディング施策を行った場合、当然ながら動画がもたらした効果を分析する必要がある。ここではスモールビジネスでの観点から、身近な例も交えて解説する。
Illustration : 児玉淳一
どれほどの再生時間が受け入れられるのか?
ここでは、スモールビジネスで動画を導入した場合、どのような効果測定、検証が求められるかについて考えたい。
動画に限らず効果測定全般の考え方として、1つの項目を局所的に取り上げて評価するのは、適切な考え方ではない。その点を承知の上で、動画広告で優先的に気にかけたい指標を問うと、村岡雄史氏は「完全視聴率」を挙げた。
「テレビCM、Webに限らず、動画は一定の時間が見られないと利用のメリットが減ります。特にネットの場合、ユーザー側に主導権があるので、見たくなければすぐ離脱すればいいため、テレビCMよりも最後まで見せるのが難しいとも言えます。再生後、どれほどの長さは見られているかを検証して、動画の長さが適切か、離脱する原因は長さなのか、クリエイティブなのかなどの追及は不可欠です。最適な動画広告を目指す上で、目安となる指標の一つです」(村岡氏)
1 動画広告の測定では完全視聴率に着目せよ
TKネイルスクールの測定結果をもう少し分解してみよう。再生時間ごとのユーザー数を確認すると、再生時間50%のユーザーが全再生ユーザーの6割強を占めていた。全編で10秒という動画なので、短尺の特徴が好意的に受け止められた結果といえそうだ。裏を返すと、さらに終わるまでの5秒が経つ前に、それまでの約半分が離脱したと解釈できる。極端に離脱者が多い場合は、離脱が顕著なタイミングを割り出し、クリエイティブの改善に活かしたいところだ。
短尺の動画広告については、出稿額を抑えながら高い広告スコアを得たという上記の調査もある。この結果が“10秒動画が最善”だと意味するわけではないが、完全視聴率の改善に映像の長さは気に留めたい要因といえる。