2016.04.27
問題解決のための正しい「課題設定」 真の問題を確実に見つけ出すプロセスとは
がんばってビジネス上の問題を解決しようとしたのに報われなかった‥‥という経験をしたことはないだろうか? ビジネスには無数の問題が溢れているが、ヒト・モノ・カネのリソースは有限であり、それらをすべて解決することはできない。ならばもっとも必要な「真の問題」を解決したいところだが、その問題はどのようにすれば発見できるのだろうか。
関係者の間で問題の議論が噛みあわない、解決策を絞り出しても売上や利益への効果が出ないという例はよく見られる。とにかく手当たり次第に問題を解いていくことで、インパクトの大きい解決策をつかもうとしても、本当に価値のある解決策にたどり着く前に体力の限界や時間切れを迎えてしまうことが多い。このようなやり方は、ベストセラー書籍『イシューからはじめよ』(安宅和人著、英治出版刊)で「犬の道」と言われているやり方だ。
問題を解決しようとする前に必要なことは、まず「課題設定」だ。ここでいう「問題(=problem)」と「課題(=issue)」は、前ページにも述べたように異なる概念である。問題解決に向かう前に、本当に取り組むべき問題、すなわち「課題」が何かを見定める必要がある。それが「課題設定」のステップだ。課題設定に必要なのは、問題の全体像を俯瞰し、適切な基準をもって優先度をつけることなのだ。
とはいえ、早く不安から抜けだそうとやみくもに一歩を踏み出したくなる気持ちもわかる。しかし、課題設定はプロジェクトの方針を最初に分けるものであり、後で間違いに気づいても、大きな手戻りを強いられることになりやすい。安易に「問題」を解決しようとすることで、犬の道に陥ってしまうことも多い。まず立ち止まって本質的な課題を考えよう。
ここではまず、課題設定を行うためにどのようなプロセスで考えればよいのか、事例を混じえて解説しよう。