2015.10.20
One's View コラム Web Designing 2015年11月号
[IoT:まごチャンネル]実家の課題解決サービス
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
実家の両親に孫の成長を見せたくても、実家のリテラシーの問題でスムーズに見ることができず、そのフォローが結構手間だと感じることが多かった。手間だと感じると、次第に送る頻度は減り、その結果コミュニケーションも少なくなってしまう。
そんな中、スマホで撮った写真や動画が実家のテレビで再生できるIoTクラウドサービス「まごチャンネル」が話題だ。まごチャンネルのすごいところは、実家とのコミュニケーションの障壁だった「機械やインターネットの難しさ」を意識することなく使えるということだ。サービスを使うのに必要なのは、専用アプリとテレビに接続する家型の受信用デバイスのみ。デバイスのケーブルは電源とテレビ用の2本しかないため、電源を入れて自宅のテレビにつなげたらすぐに楽しむことができる。またテレビのリモコンで操作できることも、おじいちゃん・おばあちゃん世代にとってはポイントが高いだろう。IoTデバイスで一番面倒なのはネット接続だが、家型デバイスにネット回線を内蔵しているため、接続に手間もかからない。
まごチャンネルの開発資金を(株)チカクがクラウドファンディング「Makuake」で募ったところ、すでに目標額の約4倍、400万円以上を集めている(9月27日現在)。これも世間のまごチャンネルに対する期待の現れだろう。
世の中の課題(今回の場合だと疎遠になりがちな実家とのコミュニケーション)をしっかり解決してくれるようなIoTサービスは、日本でまだまだ少ない。しかし、課題解決型のサービスはターゲットとニーズが明確なため、プロダクト・マーケット・フィット(サービスと顧客のニーズが完全に一致する状態)まで短距離で到達しやすい。本製品のような、マーケティング視点をしっかりと持ったIoTサービスが今後もっと登場してきてほしいと思う。
【Internet of Things】まごチャンネル