2016.02.03
IoTをビジネスにするためのポイント(2/2)●特集「IoT」の現在 アメリカのベンチャー「Nest Lab.」のビジネスモデルから学ぶ
アメリカでは、西海岸を中心にIoTビジネスを手掛けるスタートアップが1,000社以上存在すると言われています。2014年にGoogleが32億ドルもの現金を投じて買収し、シリコンバレーにおいて知らない人はいないといわれれる注目企業NestLab.(以下Nest)のケースを取り上げながら、IoTの近未来とビジネス化するためのポイントについて考えていきます。
6_ビジネスモデルとしてのIoT
ビジネスモデルとは、端的に言えば「事業として継続的に利益を生み出していくための論理的な仕組みです」(図6)。IoT(モノのインターネット化)と共同消費(シェア)の2つの組み合わせは、今後ビジネスの世界を大きく変えるポテンシャルをもつ代表的なモデルとなるでしょう。ビジネスモデルの視点から捉えれば、IoTとは「モノを通じた新しいサービスの提供」にほかなりません。
ビジネスモデルは、What(何の価値を提供するのか?)、Who(誰にその価値を提供するのか?)、How(どのようにその価値を生成するのか?)、Why(なぜそれが利益を生むのか?)という4つの次元からデザインしていく必要があります。また、優れた価値提案を実現するプロダクトやサービスとは、デザイアビリティ(それは顧客が望むものか?)、フィージビリティ(それは技術的に可能か?)、バイアビリティ(それは利益を継続的に生むか?)という3つの視点が最もフィットする領域に存在するものです(図7)。

図7(右):ビジネスモデルの4つの次元とサービス思考の3つの視点
弊社が昨年9月に開催したIoTセミナーの事前アンケートによれば、参加者の60%がビジネスモデルの構築を今後の大きな課題として挙げています(図8)。
