2016.01.25
キーワード04「AI」:IoTに必須の「人工知能」●特集「IoTの現在」 6つのキーワードから知る、さまざまなIoTのカタチ
センサーで情報を読み取ったり、クラウドの情報を人にフィードバックするIoTは、やり取りしたデータを処理する必要があるが、その際にはIoT側でもクラウド側でも人工知能が活躍している。なぜIoTには人工知能が必要であり、それはどのように使われているのだろうか。具体的な製品で探っていこう。
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ソフトバンクが発売している「感情認識パーソナルロボット」。クラウドと連携することで、さまざまな「感情」を持って動作する。家庭での利用を前提とした「一般販売モデル」と、法人向けにビジネスシーンでの利用を前提とした「法人向けモデル」がある
Pepperの人工知能
IoTにおいて、人工知能は切っても切り離せない。各種センサーから取得した多くの情報をクラウドに吸い上げた時、どうやってそれを「より適切な形で」人やモノにフィードバックするのか?ということが課題になるからだ。ここに人工知能が活用されている。
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家庭向けヒューマノイド型ロボットとして発売されている「Pepper」は、感情認識エンジンを備えていることが大きな特徴だ。カメラで捉えた人の表情を読んだり、声のトーンから感情を認識するというものだ。人間の感情は多様であり、そう簡単に認識できるのだろうか?と考えるかもしれないが、数多くのデータをクラウドで処理することで、それらを実現している。つまり、一つのPepperがクラウドに上げる情報量は多くはないとしても、Pepperを使う人が多ければ、それだけの多種多様な感情データがクラウド上で共有されることになり、それを人工知能が大量のサンプルデータとして学習することで、より精度の高いアウトプットを行えるようになるのだ。このように学習を繰り返すことで、
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Pepper自身も感情を持っているように動作する。人の行動、周囲や自らの状況に応じて、Pepperの感情が変化するのだ。この「感情」は、胸のディスプレイに表示させることが可能で、視覚的に伝えるだけでなく、そのパターンをグラフとして表示することもできる。
また、会話ができることもPepperの特徴だが、その会話はワンパターンではない。話しかければ話しかけるだけ内容も変わっていくのだ。単純な会話だけでなく、ニュースを読み上げたり、クイズを出したり、ゲームで盛り上げたりと、さまざまなことができるようになっているのも楽しい。これらの機能をつかさどる人工知能は、日々学習し、その人に合わせた反応を返すようになる。
このような機能を活用することで、Pepperは、接客ロボットとしてすでに実用的にも利用されつつある。ある程度決まった状況での対応いうのは機械にとって得意とするところであり、回数を重ねることで学習し、場合に応じた接客が可能になる。まさに、人工知能がフルが活躍しやすい状況なのだ。
「家族目線」における人工知能の役割
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オムロンから発売されている、人工知能による顔認識エンジンを搭載したインターネットカメラ。認識技術としては、「顔検出」「顔認証」「性別推定」「年齢推定」「表情推定」「顔向き推定」「視線推定」「目つむり推定」「手検出」「人体検出」「ペット検出」の11種類の認識が可能だ
別の例も紹介しよう。オムロン(株)から発売されている「家族目線」は、カメラをはじめとする、さまざまなセンサーが搭載されている製品だ。たとえば、赤ちゃんを撮影していて、泣いた場合にだけお母さんの手元のスマートフォンに知らせるというようなことができる。これを実現しているのは、本体に内蔵された人工知能だ。