2015.09.13
「売れてるECサイト」は何が違うのか? その理由3つの側面から考える(2/4)●特集「EC再強化」 [01]顧客にとって「なければ困る」存在になれ。「文化」がそのためのキーワード
先日の女子ワールドカップ準優勝のなでしこジャパンキャプテンの宮間あや選手が、インタビューで「この盛り上がりを“文化”にし、根付かせたい」と発言していた。この言葉は重要なヒントが込められている。文化とは何か。ECサイトの運用には欠かせない要素だ。
「ウォークマン」と「LINEスタンプ」が示していること
今ではごくごく普通のことになった、外で音楽を聞くというスタイル。これは1980年代に、ソニーのウォークマンが世に出て初めて登場した行為だ。発売前、ソニー社内でも、「わざわざヘッドフォンで音楽を聴くのか?」という疑問があったと聞いている。しかし、ウォークマンを発売したところ、ご存じのように爆発的に売れ、現在につながる、外で音楽を聴く文化が生まれたのだ。
今の若者にはピンとこないかもしれないが、「メール」も同様だ。最初にパソコンでメールが登場した頃、「電話があるのにメールなんかするのか?」と感じる人は多かった。「絵文字」やLINEなどの「スタンプ」も同様だ。当初は使用に抵抗を感じていた世代も多かったはずだが、今では若者だけでなく、おじさんもおばさんも、いやおじいさんもおばあさんも、「それがあるのがふつう」とばかりに、スタンプを使いまくっている。
こういった事例のように、抵抗感がなくなること、そして「なければ困る」状態になることが「文化」になるということだ。いったん根付いたものは非常に強い。今、LINEのスタンプがなくなったらどうなるのか? 戸惑う人は相当いるはずだ。
これをECに応用するなら、「顧客にとってなくてはならない店にする」ということになるだろうか。文化というと、世間を大きく巻き込んで展開する話に聞こえるかもしれないが、必要としている人にきちんと届け、「なければ困る」と思ってもらえれば、それはECサイトにとって大きな財産となり、「信用」を築くことにもつながる。ではどうすれば、顧客にとって「なくてはならない」存在になれるのだろうか。