2018.05.07
[UX2-4]社内メディア間での住み分けと役割 立ち位置を明確にしよう
企業内で複数のメディアを運用している場合、それぞれの住み分けも明確にしておいたほうがよいでしょう。また、それによりユーザーにどんな体験をさせるべきメディアなのかといった役割もあわせて整理していきます。
他の社内メディアとの住み分けをチェックしよう
いまや一つの企業の中でも複数のメディアを運用していることは珍しくありません。その場合、自身が担当するメディアは社内のメディアの中でどんな位置づけであり、どのような役割を担うかを明確にしておきましょう。
グッドパッチでは、4つのブログとプレスリリースで情報発信をしています。それぞれの住み分けは、以下のようになっています。
●Goodpatch Blog
非デザイナーであるビジネスマンをメインターゲットとし、集客しやすいよう自社の事業から離れた範囲まで幅広くデザインに関する記事を発信する
●社長ブログ
会社の今後や経営者の考えを知りたい人など、グッドパッチにかなり興味のある人向け
●Wantedly Feed
求職者向け情報
●Prottなどのプロダクトブログ
プロダクトについて知りたい人向け。アップデート情報、導入事例、開発背景などを発信
●プレスリリース
会社全体の情報発信の場。対企業、メディア向け
このように、発信する内容は差別化されています。たとえばProttの導入事例を取材したならば、Prottのプロダクトブログでは、なぜProttを選んだのか、どのように使っているかなど、Prottを軸に話を展開します。同じインタビューを元にしていてもGoodpatch Blogに掲載する場合は、こんな業務がプロトタイピングツールでこれだけ効率が上がりました、というTipsを軸に展開していきます。
SNSでも固有のコンテンツを発信している場合は、あわせて住み分けを確認した方がよいでしょう。グッドパッチの場合はTwitterとFacebookでは企業としてのインフォメーションを同内容で発信し、Instagramでは社内の様子だけを発信しています。後者は求職者の方がよくチェックされているようです。
関連性と共感から役割を明確にする
前述の目的の違うメディア5つを自社の事業への関連性の高低とユーザーへの共感のされやすさという軸のチャートに展開すると、各メディアの役割がより明確になってきます(01)。
Goodpatch Blogは、デザインというものに表層的・専門的イメージを持っている人に向けています。広義のデザインは誰でもできるものであることを伝え、デザイナー以外の人にも自分ごと化し、デザインを身近に感じてもらうことが使命でした。そのため、事業との関連性が低くても、共感されやすい集客コンテンツ(非デザイナー向け記事)を掲載していく必要がありました。特にリニューアル直後は新規ユーザー獲得のため、そこに注力しました。たとえばモチベーションアップ、スキルアップ、キャリアアップといった、ビジネスマンが日頃課題を感じているものがデザインで解決できるというような伝え方をしていきます。
そこから「このブログは役に立つ、おもしろい」とファンになってもらい、Prottのプロダクトブログなどの事業へと繋げていくのです。