2017.03.29
顧客との親密度を測るには? 企業の収益性が見えてくるアンケート方法がある
あなたの顧客は、あなたの会社や商品をどれだけ信頼しているだろうか? 顧客がどれだけ満足しているか、不満に感じていることは何かを尋ねる事も大切だが、「顧客との距離感」を測ることはそれ以上に重要だ。
Illustration:児玉淳一
顧客を確保して収益性を高めるには、自分たちのブランドや商品のファンを増やしていくことが大切だ。そしてそのためには、顧客が何を求めているのか、あるいはどんなことを不満に感じているのかを調査し、改善を図っていく必要がある。「アンケート」は、そうした顧客の声を聞くためには大変有効な手段となる。
アンケートで適切な設問を用意すれば、商品やサービスの改善につながる貴重な声を集めることができる。しかしその際、どんな設問を用意すべきかは悩ましい問題だ。「改善してほしいことはなんですか?」「要望をお聞かせください」といった投げかけで自由に書いてもらうという方法もあるが、誰もが親身になって答えてくれるとは限らない。むしろ長文で何かを訴えてくるのは、よっぽど腹に据えかねる不満がある人くらいで、「特にありません」というそっけない返事のほうが大半だろう。
そこで、まずは顧客が自分たちのブランドや商品をどれだけ肯定的に捉えているかを尋ねることから始めてみよう。個別の改善点を探るところも大切だが、まずは自分たちがどれだけ支持されているかという「立ち位置」を知ることが重要、というわけだ。
よく使われるのは、商品やブランドに対する満足度を「大いに不満(1)」から「大変満足している(5)」までの5段階で点数をつけてもらうというやり方だが、しかしこの方法にはちょっとした問題がある。実は、この方法で調査できる顧客満足度は、必ずしも収益性に比例しないという研究結果があるのだ。5点評価で顧客満足度を聞き、その平均値が上がるように改善していったとしても、必ずしも売り上げには繋がっていかないのだ。では、どのような方法で顧客からの評価を推し量るべきなのか。その手法として注目されているのが「NPS」というアンケートの取り方だ。その手法を、これから詳しく見ていくとしよう。