2017.03.27
ユーザー体験の向上に欠かせないCCO(顧客満足度担当役員)の役割 企業の成長エンジンである“第2のCEO”
顧客とのエンゲージメントを高めるには、企業自らも変わらなければならない。そのためには各部門の垣根を超えて社内改革を実行する新たな責任者「CCO」が必要だ。
米国を中心に増加するCCOって何?
インターネットの普及やSNSの浸透によって顧客の購買行動が変化を見せつつある。主にBtoC事業に関わる企業のあり方も「顧客中心」へとシフトしているが、これは「お客様は神様」のような単なるお題目ではなく、会社組織全体のあり方にも影響を及ぼしつつある。そうした流れの中、2000年代に入ってからアメリカを中心に登場し、2006年頃より本格的に普及してきた新しい役職がCCO(Chief Customer Officer:顧客満足度担当役員)だ。
北米マツダの現地法人でCCOを務めたこともあるジーン・ブリス氏やジョセフ・パイン2世のような著名コンサルタントの活動によって知られるようになった役職ではあるが、聞いたことがない人も多いだろう。CCOという名称は、その語感からクリエイティブ担当役員(Chief Creative Officer)やコミュニケーション担当役員(Chief Communication Officer)あるいは近年注目を集めるコンテンツマーケティングの担当役員(Chief Content Officer)と混同されることがあるが、歴史的な経緯を踏まえるとまったくの別物である(ただしコンテンツマーケティングに関しては本質的には一部役割が重なる)。
呼称の問題はさておき、米国ではCEO(最高経営責任者)の戦略プランを実行に落とし込むCOO(最高執行責任者)に代わり、より顧客本位の「CX(Customer Experience:顧客体験)」を実現する責任者としてCCOを設置する企業が増えており、Fortune 100のトップ企業22%がCCOを設置しているとのデータもある。日本国内の法人でCCOを置いている例は稀だが、その役職が企業活動にとってどのように貢献するかが気になるのではないだろうか。

グローバル企業の総収入ランキングである「Fortune」のトップ100企業でCCOを設置しているのは22%、500社で10%、1000社で6.7%となる。必ずしも多数派ではないが、事業規模の大きい企業ほどCCOを設置する傾向にある(2014年の調査)
http://www.ccocouncil.org/site/cco-study.aspx